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川井郁子さん/タイ訪問

2006年に娘が生まれてから、世界の様々な問題に積極的に関わって行きたいと思うようになりました。「川井郁子 Mother Hand 基金」を設立し、2007年8月に軽井沢で開催したチャリティコンサートの収益金の一部を、国連UNHCR協会を通してスーダン難民の子どもたちのために寄付させていただきました。

2007年11月13日、初めて難民キャンプを訪問しました。20年以上前にタイに逃れたミャンマー難民(おもにカレン族)たちが、1997年以降暮らしているタム・ヒン難民キャンプで、子どもたちと音楽交流をする機会を設けていただきました。野外ステージが設けられ、キャンプに暮らす皆さん数百人がステージを取り囲んでいました。幸い、キャンプにはギター、キーボード、ヴァイオリンなどの楽器が寄贈されていて、音楽を学んでいる子どもたちがいました。子どもたちの拙いながら一所懸命な演奏に続き、私がヴァイオリンのミニコンサートを行いました。バッハのガボットを演奏すると、観客からは曲の合間から拍手が沸きあがり、幼い子どもたちは目を輝かせながら前へ前へと乗り出して来ました。その後、ヴァイオリンを弾ける男の子と一緒に、カレン族の童謡である「ユメポタシ」という曲を演奏しました。最後に、私の演奏に合わせて会場にいる全員がその歌を合唱しました。

舞台を見上げている子どもたちの目の輝きがとても印象的でした。ヴァイオリニストとして、会場との一体感が感じられ、やりがいのあるひと時でした。音楽交流会が終わると、舞台で演奏した子どもたちが私のもとに集まって来ました。あこがれに満ちた子どもたちの笑顔から、音楽を通して何かを伝えることができたかもしれないと感じました。

キャンプ内の病院では、1時間前に生まれた赤ちゃんと出会いました。小学1年生のクラスにおじゃましました。日本のNGOである「シャンティ国際ボランティア会」が運営する図書館ではカレン族の伝統的な踊りや歌を披露していただき、私もヴァイオリン演奏を披露しました。難民の子どもたちへのおみやげとして、カスタネット、オカリナ、ハーモニカ、ピアニカ、笛、鈴、スケッチブック、色鉛筆など、たくさん持って行きました。

短い滞在でしたが、難民の子どもたちからたくさんエネルギーをいただき、私の内面世界が広がったような気がします。この体験を多くの皆さんに伝えていきたいと思っています。また、これからも機会を見つけて、世界各地で難民の子どもたちに生の音楽を届ける活動を続けていきたいと思います。

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