旅立ち ~難民キャンプ訪問の終わりに~
Goodbye, my friends !
Good luck in America !!
小さな飛行機に乗り込む人びとの列に向かって、私は大きく手を振りました。
となりで国連UNHCR協会のスタッフの方も、大きな声援を送っています。
難民キャンプ訪問を終え、ネパールの首都カトマンズに戻るため、ダマクの空港に到着した私たちは、偶然にも、今まさに新天地に向けて旅立つ難民の人たちに出会いました。
最初、小さな空港のロビーがずいぶん家族連れでいっぱいだな、と思ったのですが、皆、首からカードをぶら下げています。
もしかして?!と思ったら、やはりそうでした。
カードには「IOM」と書かれています。
このたくさんの家族連れは、難民の人たちだったのです。IOM(国際移住機関)が、第三国定住プログラムのもと、新しい国に向かうブータン難民を、カトマンズまで送迎しているところでした。
待合室には、順番を待つ難民たちが思い思いに過ごしています。
男性同士集まって話しをしたり、女性が赤ちゃんに授乳したり、子どもたちは待ちきれなくて、出発口のガラスドアに張り付くようにして、先立つグループの様子を眺めたりしています。
外では、機内に乗り込むまで行列を作って、IOMの職員が配布するものを受け取ったり、点呼を受けたりしています。
赤ちゃんと幼い男の子をあやしながら待合室で待っている若いお母さんに、
英語で話しかけてみました。
まだ20歳という彼女は、二人の子どもと夫、そして親戚と一緒にアメリカに向かうとのことでした。
とても素敵な服装で、たくさんのアクセサリーを身につけています。
彼女にとって今日は特別な日。未知の世界への期待と緊張感、高揚感が
伝わってくるようでした。
「今、どんな気持ちですか。」
「Happy!!」
と一言。でも言葉では言い表せない気持ちなのでしょうね。
出発口の外に出て手を振りながら、
「これから大変なこともあると思いますが、皆さん、頑張ってくださいね。応援しています!そしていつか、ブータンに帰れる日が来るといいですね」と心の中で声援を送りました。
みんなこちらを向いて、大きく、力強く、手を振り返してくれました。
難民キャンプ訪問の締めくくりに、難民たちの旅立ちの光景に出会えて、本当に感動しました。
UNHCRが、例えば彼女が生まれてから、今こうして新たな生活のスタートを切るまで、人生の全ての間サポートしてきたのかと思うと、改めてその役割の大きさに気づかされます。
そして、私が続けてきた「毎月倶楽部」がこうしたUNHCRの活動を支えていると思うと、人の役に立てる喜びを感じます。
今回、初めて難民キャンプを訪れて、本当によかったと思っています。
私が行ったネパールのブータン難民キャンプは、もう20年以上も続いているとても長いキャンプです。
難民たちは避難生活という大変な生活を強いられているわけですが、この難民キャンプは2007年から第三国定住を始めて以来、現在までに10万人以上いた難民の半数が、第三国で新しい生活を始めています。
そんな難民キャンプを訪れて、私が感じたのは、「希望-HOPE」。
難民をサポートするということは、決して水や食糧、テントを提供して終わることではありません。彼らの長期に渡るかもしれないキャンプ内での生活をサポートすること。
そして、いつかはキャンプを出てふるさとに帰る、それができないときには、新しい地で生活ができるようにする。この全てをサポートすることが大事なのだと痛感しました。
それが難民の「希望」につながっていくんですね。
そのために、忘れてはいけないのが難民を受け入れている地元住民の存在です。
難民キャンプがある国の80%が発展途上国だといいます。受け入れ国には、難民以上に過酷な生活をしている人も中にはいます。
特に、難民の数が減り、キャンプが続々と閉鎖されているこのブータン難民キャンプでは、第三国定住が難しい、あるいは望まない難民たちを支援するために、地域社会とうまく連携していく必要があると思います。
今回の訪問をきっかけに、これからもたくさんの難民キャンプの現場を自分の目で見て、伝えていきたいと感じました。
最後まで私のブータン難民キャンプ訪問記を読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。
これからも是非、私と一緒に、難民支援活動を支えていきましょう!
道端ジェシカ








