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レバノンにいるシリア女性たちに識字クラスへの新たなドアが開かれる
ファティマ・アル・オベイドは子どもたちの宿題を手伝ってあげたいと強く願う難民の親たちのために、ボランティアで授業を開講しました

レバノンのフライデックで開かれている識字教室で読み書きを学ぶシリア出身の母親たち

フリデク(レバノン)2017年7月31日 ― ファティマ・アル・オベイドは、ホワイトボードにアラビア語の「b」を書くと、生徒を呼び、「beit」(アラビア語で、「家」)と書くようにと呼びかけます。

 
生徒たちは子どもではありません。大人の女性たちです。週2回、彼女はシリア難民の母親と祖母たちに、アラビア語の読み書きを教えています。これは、最初の授業の様子です。彼女たちは、シリアでは学校に通えませんでした。

 
この識字クラスは、我が子にレバノンにより馴染んで暮らしてほしいと願う母親たちのために開講されています。彼らはレバノンに、戦闘が始まったシリアを離れて以来住んでいます。多くの母親は、子どもたちの宿題やコーランを読むのを手伝ってあげたいのです。そして、新たな国で自立したより生活を送りたいと思っています。

 
ファティマ(31歳)は、ホムス(シリア)でアラビア文学の学位のためのコースを取っていましたが、5年前に安全な生活を求め、家族でレバノンに避難してきました。その時から、3人の子どもたちはレバノンの学校に通い始めました。

 
多くのシリア難民の両親は、子どもたちの宿題を手伝えないことを恥じ、情けない思いに駆られていると知ったファティマは、その課題を引き受けることにしました。2017年初頭、彼女はレバノン北部フライデックのコミュニティーで、大人向けの基礎的な読み書きのクラスを開講すると決めました。特に、放課後子どもたちと一緒に家で過ごすことが多い母親向けのものです。

 
「生徒の成長を目にするのは、とても嬉しいです」と2月からボランティアで教師をしているファティマは言います。「彼女たちに教え始めた時、皆とても緊張していました。しっかりペンが持てない人もいたほどでした。」

「だけど、同じ言葉を話せたとしても、ここは私たちの国ではありません…私たちは外国人なんです」

授業はアラビア語とフランス語で開講されています。少なくとも15人の女性が各セッションに出席します。年齢は、17歳から60歳代半ばで、発達障がいを持った人が2人います。入学金はなく、UNHCRとセーブ・ザ・チルドレンが本や教室備品を提供しています。

 
女性たちは、子どもたちの宿題を手伝えることで、自信を取り戻します。教育省によると、少なくとも19万4,000人のシリア難民の子どもたちがレバノンの初等科に入学しています。ほとんどのシリア難民は、「第2のシフト」という午後の特別授業に出席しています。

 
「5人の子どもたちは、皆1年生から6年生まで通っています」とガリア・アフメド・エゼイディーン(44歳)は言います。「そして私も1年生です。」

 
他の多くの生徒のように、ガリアは難民になるまで教育の価値が分からなかったといいます。シリアではあまり読み書きは必要ありませんでした、と彼女は言います。人々はその地域の標識を見て方向を確認し、大きなニュースは口頭で広がっていたからです。

 
「しかしここは、同じ言語を話していたとしても、私たちの国ではありません」とレバノンについて言います。「私たちは外国人なのです。もしUNHCRやその他の機関からメッセージを受け取ったら自分で読みたいですし、もし我が子が授業内容について質問してきたら、答えてあげたいのです。」

 
最初の何週間かは、授業内容の難しさに圧倒されてしまう女性もいます。さらに悪いことに、夫や近所の人から非難を受けてしまう人もいます。

「最も励まされた瞬間は、標識に書いてある近所の村の名前が読めた時です」

「夫たちの中には『なぜ?もう若くないし、勉強なんて必要ないだろう』と言う人たちもいるでしょう」とファティマは説明します。

 
それでも、批判に負けずに学校に来るように、と彼女は女性たちを応援します。そのためにファティマは、勉強することがいかに家族皆のためになるのかについての説明の仕方するかについても教えています。少なくとも5人の生徒たちは、シリアの紛争で夫を殺されました。彼女たちが自立するために、識字は重要な能力です。

 
ファティマ・タジェー(30歳)は、5か月になる子どもを連れて教室に来ます。片手で子どもを抱え、もう片方の手でノートをとっているのです。

 
「最も勇気付けられた瞬間は、近くの村の表示を読み取れた時でした」と彼女は言います。

 
クラスメイトのナイサ・アル・サレフは、今週習った「b」から始まる言葉をなぞっています。

 
「私が学ぶ、一番大きな目的は、処方箋を読むことです」とナイサは言います。彼女は息子夫婦と6人の孫と住んでいる、60歳半ばの女性です。「タクシーに乗った時、標識が読めるようになったので、どこに向かっているのかが分かります。自分に頼れるのです。」

 
ファティマ・ビームス先生は誇らしげです。

 
「日を追うごとに、彼女たちを強くしようとしています」彼女は言います。「私は彼女たちに自信を持って欲しいし、そのために『何であっても、集中すれば叶えられる。でももし、できないと言い続けるなら、いつまでも身に付かないわ』と伝えているのです。」

 
Tania Karas and Dalal Mawad in Fnaydek, Lebanon

 
原文はこちら(英文)
Literacy classes open new doors for Syrian women in Lebanon

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