国連UNHCR協会は、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の公式支援窓口です。 《寄付は税控除の対象になります。》

  • 0120-540-732(平日10:00-19:00)
  • メニューを開く

支援の現場から

護身の授業で、性暴力と闘う方法を教わる難民の女性たち
UNHCRによってヨルダンで企画された授業で、シーファイター(SheFighter)のスタジオは、女性たちに護身術を教えるとともに彼女たちの自尊心を強化しています

シーファイター(SheFighter)のテクニックは複数の格闘技を組み合わせており、彼女たちに暴行を働く人々から自分の身を守る方法を教えています

アンマン(ヨルダン)2017年12月8日 ― 彼女の行動が、脅しのために故郷のイエメンから逃れなければならないという結果になる前は、ライラ(35歳)は、暴行から逃れてきた女性を10年以上助けてきた情熱的な擁護者でした。いま、ヨルダンにいる彼女と他の難民女性たちは、中東で初めての女性だけの護身術スタジオのおかげで、自分の身を守る方法を学びました。

 
とても小さいころに彼女の意思に反して結婚させられたライラは、ほかの女性たちが似たような経験をしていくのをただじっと見ていたりはしないと決意しました。「私は、隣人が結婚を拒んだことで彼女の兄に散々殴りつけられるところを見たことを覚えています」と彼女は思い起こしました。「彼女は人生が終わってしまったかのように感じていました。私は彼女が病院へ行くのに付き添い、危険から遠く離れた家を借りるのを手伝いました。」

 
これが、最終的にライラを危険にさらし、2015年に安全のためにヨルダンへの避難を強いられることになる彼女の一連の行動のはじまりでした。「私は主に手紙を通じて日常的に脅迫を受けました。怪しい人が私のオフィスの外で待ち伏せしていたことも何度かありました」と彼女は言いました。「私は、どこへ行こうと決して安全ではないことを知っています。私を黙らせたい人は簡単に私を見つけることができますから。」

 
ライラは5つの異なる国から逃れてきたあらゆる年代の難民女性たち25人とともに、ヨルダンの首都アンマンにあるシーファイターのスタジオで授業に参加しました。2012年にヨルダンの起業家リナ・ハリーフェによって設立されたシーファイターのテクニックは、複数の格闘技を組み合わせており、女性たちの自尊心を強化しながら、彼女たちに暴行を働く人々から自分の身を守る方法を教えています。

「私は日常的に脅迫を受けました。怪しい人が私のオフィスの外で待ち伏せしていたことも何度かありました」

この授業は、UNHCRにより、「性に基づく暴力に対する16日間の活動」の女性のエンパワーメント活動の一環として企画されました。この世界規模のキャンペーンは毎年、女性に対する暴力廃絶のための国際デーである11月25日から世界人権デーである12月10日にかけて行われています。

 
2017年、UNHCRヨルダン事務所は世界規模のキャンペーンテーマ「誰一人取り残さない ― 女性や女児に対する暴力をなくす」を採択し、女性と女児、彼女たちの家族やコミュニティーに生涯にわたり影響を与える恐れのある暴力と闘う世界中の取り組みに加わりました。

 
この授業は、長年にわたり他人のために闘ってきたライラにとって新しい経験でした。「ここにいるみんなにそれぞれの物語があって、私たちはそれを共有し、お互いの物語から学び合うことができます」と彼女は言いました。「苦しみは新しい女性を生み出せるのです、苦しみが私を創りました。女性たちは、世界を変えることができ、なりたい自分になることができるのです。」

 
「授業の後、女性たちはより自信に満ち溢れ、安定し、肉体的にも精神的にも強く感じ、様々な暴力的状況から自分を守る準備ができているように感じます」とシーファイターのコーチ、バトールは説明します。彼女の後ろにあるスタジオの壁のうちの1つには、「たとえ声が震えていたとしても、はっきりと言おう」というスローガンが書かれています。

 
男女の平等や女性のエンパワーメントに取り組む国連機関である国連女性機関によると、地球全体で女性の約3分の1が人生の中で肉体的または性的な虐待を経験します。避難生活の間は、女性や女児に対する暴力の危険性は激化します。

 
ナディア(58歳)は、イラクの首都バグダッド出身の、元大学教授の難民です。彼女は戦争の4年間は教えることができず、最終的にヨルダンに庇護を求めることを強いられました。

「護身の授業は難民の女性たちに、自身の強さを信じる自信を与えます」

「私は1人きりです。1人きりだと感じています」と彼女は言いました。「離婚した女性として母国を去るとき、難民としての新しい人生の始まりは困難なものです。」ナディアは授業の中で、自分が思っていたよりも強く機敏であることに驚きました。「私は攻撃してくる人の弱点を習いました。また、新しい人々に出会い、みんなに関わる話題について議論をする良い機会でした。」

 
自信と自尊心を高めるだけでなく、格闘技の練習はストレスを軽減し、怒りや不満といった感情を減少させると考えられています。

 
2017年に、UNHCRは女性や女児に対する暴力の予防・対処の取り組みを強化しました。それには、レイプ、性的暴力、児童結婚、パートナー間暴力、性的搾取と虐待、女性器切除への対策が含まれています。

 
「難民の女性や女児は避難によって、性に基づく暴力の危険にさらされる可能性がさらに高くなります。それは、庇護国では支援のネットワークを失うことが多く、社会経済的に困難な状況に置かれるからです」とUNHCRヨルダン事務所の性に基づく暴力担当職員エミリー・ペイジは説明しました。

 
「個々の難民のニーズに応えることは必要不可欠で命を救うことに直結しますが、女性のエンパワーメントに注目した予防プログラムも同じく重要です」と彼女は言いました。「護身の授業は難民の女性たちに、自身の強さを信じる自信を与えます。彼女たちの勇気が私たち全員に元気を与えてくれるのです。」

 
護身の授業は、この地域において弱い難民の女性や女児の力を高め、彼女たちが直面する暴力や搾取の危険を軽減するUNHCRの幅広い活動の一部です。この活動では、現金による生活支援、技能習得訓練、安全な場所の提供なども行っています。

 
※保護のために難民の名前を変更しています。

 
Olga Sarrado Mur

 
原文はこちら(英文)
Defence class teaches refugee women to fight gender violence

難民・国内避難民の支援にご協力ください

UNHCRは紛争や迫害などにより故郷を追われた人々を国際的に保護・支援し、難民問題の解決へ向けた活動を行っています。厳しい世界情勢が続く中、人々が紛争や迫害によって故郷を追われるかぎり、援助を届けるため、UNHCRは活動を続けます。ぜひ、ご支援いただきますよう、お願いいたします。

※当協会は認定NPO法人ですので、ご寄付は税控除(税制上の優遇措置)の対象となります

一覧ページへ戻る

国連UNHCR協会について
UNHCRを知る
UNHCRを支援する