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南スーダン緊急支援

UNHCRとWFP緊急アピール:食糧不足 アフリカ難民80万人に打撃

チャドのイリディミ難民キャンプの栄養センターで腕周りを測定されるスーダン難民の子ども。このキャンプの5歳未満の子どもの栄養失調の割合は、13.7%です。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と国連世界食糧計画(WFP)は7月1日(火)、治安と輸送の問題で資金不足が深刻化し、80万人近いアフリカ難民への食糧配給を削減せざるを得なくなったことで、とりわけ子どもたちの急性栄養失調、発育障がい、貧血症の受け入れがたい水準が悪化する恐れがあると警告しました。

アーサリン・カズンWFP事務局長とアントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官は、ジュネーブでの各国政府代表との会合で、WFPが再び十分な配給量を確保し、他の地域でのさらなる削減を防ぐためには、2014年12月までの間に1億8600万ドル(約186億円)が必要であると合同で緊急の訴えを行いました。UNHCRについては、栄養失調に苦しむ脆弱なアフリカ難民への栄養支援のために3900万ドル(約39億円)を必要としています。

「多くのアフリカ難民が、生きるためにWFPの食糧配給に頼っています。そしていま、資金不足のために、彼らは厳しい状況に置かれています」とカズン事務局長は語りました。「そこで我々は、援助国政府に対して、すべての難民――その半数は子ども――が十分な食糧を確保し、健康で、自らの未来を築く手助けをするよう訴えているのです。」

アフリカ全土の22カ国およそ200の施設で暮らす240万人の難民は、WFPによる定期的な食糧援助に依存しています。現在、これらの難民の3分の1が配給を削減されており、チャドの難民は60%もの大幅な削減に直面しています。

中央アフリカ共和国、チャド、南スーダンの遠隔地にあるキャンプなどの施設に暮らす約45万人の難民は、配給を少なくとも50%削減されました。このほか、リベリア、ブルキナファソ、モザンビーク、ガーナ、モーリタニア、ウガンダの33万8000人の難民は、5~43%削減されています。
さらに、2013年初頭以降2014年にかけて、一連の予期せぬ一時的な配給削減によって、ウガンダ、ケニア、エチオピア、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、カメルーンなどのいくつかの国のキャンプが影響を受けました。また、治安悪化によって配送に影響が出たことによる配給削減もありました。

グテーレス国連難民高等弁務官は、「世界中の危機の数は、人道支援事業への資金援助額をはるかに上回り、重要な事業下の脆弱な難民たちが置き去りにされています」と語りました。「今日の豊かな世界で、難民が慢性的な飢えに苦しんだり、難民の子どもたちが家族を養うために学校をやめたりするのは容認できることではありません」と述べ、世界各地で避難する人々が発生しているの状況への資金援助の見直しを訴えました。

7月1日のジュネーブでの会合に併せて発表されたUNHCRとWFPの共同報告書は、難民は世界で最も弱い立場にある人々の部類に入ると述べ、彼らの最低限の配給を削減すれば、すでに弱っている人々に計り知れない影響を及ぼす恐れがあると警告しています。

多くの難民は、すでに緊急栄養支援の必要に迫られて避難国にたどり着きます。多くの受け入れ国では自立手段が不足しているため、難民は依然として、ふるさとに帰還したり、別の解決策を見い出したりできるまで、時には何年もの間、国際支援に全面的に依存しています。WFPは通常、難民1人あたり1日2100キロカロリーの配給を目指しています。

グテーレス国連難民高等弁務官は、配給の60%の削減が続けば、難民にとっては破滅的な状況になるが、わずかな削減でも、栄養不良の人々にとっては最悪の事態を招く恐れがあると警告しました。特に子どもへの影響は即座に現れる可能性があり、取り返しがつかなくなる場合も少なくありません。受胎から最初の1000日間の子どもの栄養不良は、生涯を通じて影響を及ぼし、身体の発育と精神の発達をともに損ねる可能性があります。数多くの調査は、こうした「発育障がい」が、その影響を受けた子どもたちをその後の人生において、社会的にも経済的にも大きく不利な立場に置くことを示しています。

直近の配給削減が行われる前でさえ、調査対象となったキャンプの多くで、難民の栄養失調はすでに受け入れがたい水準にありました。もっともこの5年間、栄養水準の改善において一定の成果は見られました。例えば、微量栄養素欠乏症の予防・治療プログラムによって、一部の地域では、栄養失調の発症率とこれに関連する問題の増加が鈍化したり、減少に転じたりさえしました。しかし、現在の食糧不足はもはや、ようやく手にしたこうした成果さえも台無しにする恐れがあります。

2011年から2013年にかけて行われた栄養調査では、子どもの発育障がいと貧血症が、難民施設の大半ですでに危険な状況にあることが明らかになりました。例えば、調査対象の92のキャンプのうち、貧血症に苦しむ難民の子どもの割合を20%未満に抑えるというWFPとUNHCRの目標を達成したのは1か所だけでした。また、子どもの発育障がいを20%未満に抑えるという目標を達成したキャンプは、全体の15%に届きませんでした。さらに、5歳未満の子どもの急性栄養失調の割合は、60%を超える施設で、受け入れがたいほど高いままだということもわかりました。

食糧不足に見舞われた難民は何とかしようともがき苦しみ、報告書が「否定的な対処法」と呼ぶ手段に訴える中、さらに多くの問題を引き起こしています。これらの問題には、難民の子どもが家族を養う手助けをするために職探しをすることによる途中退学者の増加や、勇気を出してキャンプの外で職探しをする難民女性への搾取や虐待、食糧を買うお金を稼ごうとする女性と女児による「生存のためのセックス」、少女の早期結婚、家庭内のストレスや家庭内暴力の増加、盗難の増加などが含まれます。

要するに、「貧困、食糧不安、栄養状態の悪化、病気発症リスクの増大、危険な対処法という悪循環です。したがって、生計機会と食糧安全保障の拡大はこの悪循環を断ち切るうえで最も重要であり、栄養と食糧安全保障への先行投資とこれらの進展の維持を確保します」と報告書は述べています。

WFPとUNHCRは、難民への食糧供給ルートへの十分な資金援助を援助国政府に求めることに加え、アフリカ各国政府に対しても、難民の自立を促すために、難民に農業用地や放牧地を提供し、働く権利を与え、地元市場の利用を提供するよう働きかけています。また、資金援助の不確実性を踏まえて、WFPとUNHCRは、最も脆弱な人々を特定し、彼らが必要な支援を受けられるように、予想される削減によって影響を受ける人々を優先する方策の練り直しも行っています。

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ナビ As food shortages hit 800,000 African refugees, UNHCR and WFP issue urgent appeal


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