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難民女性の保護と支援について
難民女性の保護にはいくらかかるのか?
UNHCRでは、一人当たり年間200米ドル(およそ1万6,000円)で、難民キャンプで暮らす女性や女児に対して、生理用品の支給、初等教育、保健治療、住居、そして性暴力への対応と予防を行うことができると見ています。わずかな費用で、女性と女児の生活を大きく改善することができるのです。
意思決定や食糧配布のマネージメントへの女性の参加
UNHCRの報告では、難民キャンプでは、意思決定機関の代表者の40パーセント以上を女性が占めている比率は、2006年から2009年までの間に56パーセントから65パーセントに増えました。しかしながら、キャンプのみならず、都市や地方に溶け込んで暮らすにおいても、女性の意思決定への参加の割合が50パーセントを達成するよう、努力を重ねる必要があります。女性の参加を促すためには、託児や家族の介護サービスなどの拡充や、女性が参加しやすい時間帯に会議を開くなどの配慮が考えられます。
また、最近見直されたUNHCRと国連世界食糧計画(WFP)との覚書では、女性が食糧の管理と配布において重要な役割を果たすことが強調されました。UNHCRとWFPでは、女性が参加しやすいように、食糧配布の日には託児サービスを提供し、コミュニティーに対して女性の役割の重要性について周知することで合意しています。
個人単位での身分証明書と登録
難民の女性は、男性よりも、証明記録へのアクセスが社会的にも法的にも困難な場合が多く、様々な面で保護の妨げになっています。例えば、証明がないと、拘束や搾取のおそれがあり、支援物資の支給の妨げにもなりかねません。UNHCRでは各国政府に対して、難民女性や子どもについて証明記録するよう法的整備を働きかけています。2008年、報告のあった難民キャンプの32パーセント、都市型の難民状況では65パーセントで、出生証明を含め記録が行われています。
UNHCRに難民登録されることは、難民として保護し、食糧、水、医療、住居や衛生といったサービスへのアクセスの礎になります。2008年までに、UNHCRでは、難民キャンプの78パーセントにおいて、男女平等に個人単位で難民登録を行いました。しかしながら、都市型の難民状況については、データ不足などもあり、状況の把握と登録作業の実施を進める必要があります。
さらに、国によっては法律で、女性は子どもに国籍を授与することができず、外国人男性と結婚した場合に国籍を喪失あるいは放棄することになります。女性が法的なあいまいな状況に置かれてしまうため、UNHCRでは関係諸国に男女平等の原則を反映して国籍法を改正するよう求めています。
性暴力とのたたかい
UNHCRでは性暴力への対応とその予防に全力を挙げています。難民キャンプで性暴力の被害者が医療面と精神面のケアを受けた比率は、2007年に85パーセントだったのが、2008年と2009年には97パーセントに向上しました。2009年、UNHCRでは性暴力の対応と予防の戦略のシステム化を始め、標準処理手順がそれまでなかった国々においても策定しました。さらに、性暴力の予防について男性の理解と共感を深めるために、ワークショップがアフリカとアジアの多くの国々で開かれています。ネパールでは、裁判官、弁護士、医療関係者、検事やNGOスタッフを対象にブータン難民の性暴力被害者のための判決のありかたについて円卓会議が行われました。ボスニアでは、家庭内暴力の被害者が経済的に自立するのをサポートする事業が行われ、少額で彼女たちが精神的に立ち直る手助けができることを示しています。
生理用品の支給
生理用品を支給することは、女性の尊厳にとって非常に重要です。月経には社会的なタブーが伴い、生理用品がないと外出の妨げになりかねず、女子については学期の四分の一は学校に行けなくなる可能性があります。UNHCRは難民女性に生理用品を100パーセント支給することを目標に掲げていますが、2010年にUNHCRが行った調査では、資金不足などが原因で、その目標を達成しているのは全オペレーションの21.3パーセントにとどまっています。そこで、UNHCRでは、アフリカ地域での2011年の事業に関しては、生理用品の支給100パーセントを絶対目標として掲げ、状況の改善に努めています。
女性の経済的自立
UNHCRでは様々な団体と連携しながら、女性に焦点をあてて経済的な自立を促しています。ウガンダでは、難民を雇用して、地元産のアシから安価で環境にやさしい生理用品を作るというMakaPadsプロジェクトが進んでいます。また、ウガンダに避難したスーダン難民の女性たちが、ウガンダのLulu Worksという団体でせっけんとローションづくりに携わり、故郷のスーダンに戻ってからそのスキルを活かして起業し、女性たちを組織して地元での消費とケニア向けの輸出用に日用品をつくる、というたくましい収入創出の例もあります。
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