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環境

「難民保護と環境保護は互いに協力しつつ進める必要があります。たとえば太陽光発電による灯りがキャンプに設置されれば、難民女性の安全が守られ、同時に子どもたちももっと長い時間勉強できるようになります。」

 

“Protecting refugees and protecting the environment must go hand-in-hand. Put solar lighting in camps, for example, and you help the safety of women refugees while also benefiting their children as they have more time for their studies.”


アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官

 

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環境への取り組みはUNHCRにとって重要な課題です。多くの難民が暮らす地域では、避難生活が長期化するにつれて、環境への負荷が増大しています。

 

 

灯りのない夜の生活 たとえば、難民キャンプの多くは、電力が通っていないため、夜も灯りのない中で生活しています。そのため、子どもたちは夜勉強することがままならず、学校の中退率が増加するという状況に直面しています。また、難民キャンプの治安維持のために、灯りのないことが大きなマイナス要因となっています。

 

食事の煮炊きと森林破壊 キャンプ周辺から集めた薪を使用しているため、薪の消費量は、難民キャンプ近くで自然に生産される資源量をはるかに上回っており、キャンプ周辺の森林破壊が広がっていることが懸念されています。生活のための薪集めは、主に女性や子どもたちの仕事で、アフリカでは平均で週4回も行かなければならない上、遠い場所へ薪を集めに行く間に、性暴力の被害に遭ったりする危険が常に伴います。

 

植林と育苗(みどり一本) 限られた資源をめぐる争いや森林伐採などの環境破壊が、難民と難民を受け入れている地元住民との間に対立を引き起こすこともあります。そのため、人道援助の現場では、より環境に配慮した活動を行うことが求められています。生活のためにやむを得ず伐採された木を補完するための植林・育苗も、大切な紛争予防の一環として行われています。

 

 

UNHCRは、革新的な技術と自然エネルギーを活用することによって、環境を保護するだけでなく、女性や子どもを暴力から守り、難民の生活の質を改善することに取り組んでいます。具体的には、次の3つの柱をもとに、環境プロジェクトを実施しています。

 

1. 難民キャンプに灯りと安全をもたらすための取り組み
2. 薪の消費量を減らすための取り組み
3. 環境を保全するための取り組み(みどり1本)

 

 

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1. 難民キャンプに灯りと安全をもたらすための取り組み

 

革新的な技術と太陽光を用いて、難民キャンプでは環境に配慮した援助活動が広がり始めています。

 

太陽光発電による街灯を設置

 

夜、灯りがないために助長されていた犯罪や公共物破壊の発生を抑え、女性や子どもたちを性的暴行などの危険から守ります。
【単価:936ドル(約8万円)/基 ※単価は地域や製品によって変わります。】

 

ネパールのブータン難民キャンプでは、灯りは配給される灯油に頼っていましたが、ここ数年で灯油の値が高騰し、配給が大幅に削減されました。そのため、灯りがないために、難民たちは不安を訴えるようになりました。
2007年、そのような状況の中、ネパールのブータン難民キャンプは、浜田省吾さん率いるチャリティー団体「J.S.Foundation」と、パナソニック電工のご協力で太陽光パネルが設置され、難民たちに灯りによる安心と安全が届けられました。

 

太陽光発電によるランプを配給

 

子どもたちは夜でもロウソクを買う費用をかけずに勉強でき、学童の就学率、出席率の増加につながります。
【単価:39ドル(約3500円)/個 ※単価は地域や製品によって変わります。】

 

 

 

2. 薪の消費量を減らすための取り組み

 

調理に必要な薪は、難民キャンプの周辺から集めてくることが多いのですが、薪を節約するために、太陽熱で調理する調理器具や熱効率のよい改良かまどを導入し、省エネを促進しています。

 

太陽熱を使った調理器具(ソーラークッカー)の導入

 

天候のよい日には、太陽熱を利用して調理することができます。円盤の真ん中にお鍋をおくと、ごはんなら30分ほどで炊き上がります。
また、難民キャンプでは、雨水のような水を安全な飲み水にする場合、20分以上の煮沸が必要だという教育をしています。その場合にもできるだけ太陽熱を活用することによって、薪を使う量を減らすとともに、健康面での難民保護と環境保護を同時に行って行くことができます。

 

ネットワーク「地球村」のご協力により、2009年よりネパールのブータン難民キャンプや、チャドのスーダン難民キャンプでもソーラークッカーが導入され、難民キャンプ周辺の薪の消費量削減に役立てられています。

 

燃料節約型の調理器具(Save80ストーブ)の導入

 

薪の消費量を従来より80%節約することが可能になります。つまり、1,000家族につき年間の薪の消費量をおよそ1,200トン分も削減できることになり、難民が遠方まで薪を求めることによって深刻化する森林減少の傾向や環境破壊が抑えられます。
【単価:58ドル(約5000円)/台 ※単価は地域や製品によって変わります。】

 

3. 環境を保全するための取り組み

 

植林・育苗(みどり一本)

 

育成している樹木難民は生きていくために、煮炊きや暖房用の薪を求めて、難民キャンプ周辺の木々を伐採してしまうことがあります。避難生活の長期化によって木々の伐採が増えて環境破壊が進むと、資源をめぐって地元住民との対立が起きてしまうだけではなく、難民を受け入れている国に大きな負の遺産が残されることになります。UNHCRは再び大地にみどりが戻るよう、樹木が全くない土地においては成長の早いユーカリの木を植林するなど、様々な植林・育苗活動を続けています。また、荒廃した土地における植林や育苗活動を通じて、地元住民との関係改善を図っています。
【費用:苗木3本で約500円 ※費用は地域によって変わります。】

 

「みどり1本」運動とは

1979年、ソ連軍の侵攻とその後の内乱を逃れて300万人以上のアフガニスタンの人々が難民となってパキスタンに流入しました。難民になった人々は生きるために、煮炊きや暖房用の薪を求めて低木まで伐採してしまったため、きわめて深刻な環境破壊が起こり、地元住民との摩擦が生じました。

1981年9月、UNHCRはパキスタンにおけるアフガン難民援助の一環として、植林プロジェクトを開始しました。日本では犬養道子さんが植林プロジェクトの支援を目的とする「みどり1本」運動を提唱し、1981年12月以来、3年間で成功を収め、その後パキスタン政府と世界銀行の3ヵ年計画へと引き継がれました。

1984年から、エチオピアからスーダン東部に流入したエリトリア系の人々の難民キャンプにこのプロジェクトが引き継がれ、UNHCRの管理下のもと、地元自治体、地域社会、難民の人々の協同プロジェクトとして成功し、一部には生長した樹木を市場に出せるようになりました。皆様からのご寄付はこのプロジェクトの運転資金として活用され、事業に参加した地元民や難民の生活の向上に役立ってきました。

2009年からは、ザンビア国内でアフリカ諸国からの紛争を逃れた人々が長年暮らしている難民居住地での環境プロジェクト支援に引き継がれました。難民を受け入れて人口が増加した地域では土地の荒廃が進んでいます。そこで、植林事業を通じて土地を再生するとともに、環境保護の知識を広める活動が進められています。

2009年7月には、日本政府がザンビアにおけるUNHCRの活動に対し、10万3306USドルの資金援助を行いました。

 

ナビ 植林・育苗活動の詳細について

 

ナビオランダの子どもたち、ネパール難民キャンプのソーラークッカーでデザート作りに挑戦(UNHCR本部ニュース・翻訳)
ナビUNHCRザンビア、日本政府より資金援助を受ける(UNHCR本部ニュース・翻訳)
ナビ難民のために、安価で安全な燃料を求めて(UNHCR本部ニュース・翻訳)

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