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みどり1本(環境)
みどりへの取り組みはUNHCRにとって重要な課題です。UNHCRは、「環境保全、包括的アプローチによる環境対策、地元住民の参加、コストパフォーマンス」という4原則を定めた環境ガイドライン に基づいて、環境に配慮した支援活動を行っています。
多くの難民がいる地域では、限られた資源をめぐる争いや森林伐採などの環境破壊が、難民と地元住民の間に対立を引き起こすこともあります。UNHCRが難民キャンプの用地を選ぶ際には、国立公園が近いなど環境保護が必要な場所を避けると同時に、キャンプを設置してからもそれまでの自然状態をできるだけ保つよう工夫します。例えば、キャンプ内で調理の場所を一ヶ所に集めるように設計すれば、調理場などが共有でき、燃料消費も抑えられます。
植林・育苗活動
難民は生きていくために、煮炊きや暖房用の薪を求めて、難民キャンプ周辺の木々を伐採してしまうことがあります。避難生活の長期化によって木々の伐採が増えて環境破壊が進むと、資源をめぐって地元住民との対立が起きてしまうだけではなく、難民受入国に大きな負の遺産が残されることになります。UNHCRは再び大地にみどりが戻るよう、樹木が全くない土地においては成長の早いユーカリの木を植林するなど、様々な植林・育苗活動を続けています。また、荒廃した土地における植林や育苗活動を通じて、地元住民との関係改善を図っています。2007年には、アジア・アフリカ諸国において1000万本以上の苗木が植えられました。
太陽光のエネルギーを使って調理
調理に必要な薪は、難民キャンプの周辺から集めてくることが多いのですが、キャンプ生活が長期化すると木々の伐採が増え、地元住民との摩擦や環境破壊が起きてしまうこともしばしばあります。そこで、薪を節約するために、熱効率のよい改良かまどや、太陽熱で調理するソーラークッカーなどを用いて、省エネを促進しています。UNHCRでは、太陽光などの代替エネルギーの活用をより積極的に推進する方針です。
難民キャンプに安全を― 太陽光発電パネルのもたらすもの
電気が通っていないため、ネパールのブータン難民キャンプでは、明かりは配給される灯油に頼っていましたが、ここ数年で灯油の値が高騰し、配給が大幅に削減されました。そのため、明かりがないために、難民たちは不安を訴えるようになりました。
2007年、そのような状況の中、ネパールのブータン難民キャンプでは、浜田省吾さん率いるチャリティー団体「J.S.Foundation」、松下電工のご協力で太陽光パネルが設置され、難民たちに明かりによる安心と安全が届けられました。
太陽光発電パネルをもっと多くの場所に設置することができれば、キャンプ内の治安を強化し、また、子どもたちが夜集まって勉強する場所を提供することに大きな助けとなります。(ご参考:ネパールで太陽光発電パネルを現地調達した場合、1基あたり約US$400=約4万6000円)
環境保護のキャパシティビルディング(能力強化)
環境破壊を防ぎ、また修復された環境と共存していくためには、難民と地元住民、パートナー機関を含む支援に携わる全スタッフの環境に対する意識を向上させることが重要です。UNHCRでは、環境に関する難民への小・中学校での教育や、環境保全に求められる技術研修を通じて、環境と難民が共生できる環境作りを目指しています。

「みどり1本」運動とは…
1979年、ソ連軍の侵攻とその後の内乱を逃れて300万人以上のアフガニスタンの人々が難民となってパキスタンに流入しました。難民になった人々は生きるために、煮炊きや暖房用の薪を求めて低木まで伐採してしまったため、きわめて深刻な環境破壊が起こり、地元住民との摩擦が生じました。
1981年9月、UNHCRはパキスタンにおけるアフガン難民援助の一環として、植林プロジェクトを開始しました。日本では犬養道子さんが植林プロジェクトの支援を目的とする「みどり1本」運動を提唱し、1981年12月以来、3年間で成功を収め、その後パキスタン政府と世界銀行の3ヵ年計画へと引き継がれました。
1984年からはエチオピアからスーダン東部に流入したエリトリア系の人々の難民キャンプでこのプロジェクトが引き継がれ、UNHCRの管理下のもと、地元自治体、地域社会、難民の人々の協同プロジェクトとして成功し、一部には生長した樹木を市場に出せるようになりました。このプロジェクトの運転資金として活用されるとともに、事業に参加した地元民や難民の生活の向上に役立っています。 |
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