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HOME > UNHCRの難民援助活動 > イラククルド自治区の避難民の子どもたちを支援するUNHCR

イラククルド自治区の避難民の子どもたちを支援するUNHCR

A Classy Dresser: Lessons start at a school renovated with UNHCR funding in Erbil. もしも、治安が安定した国に住んでいれば、13歳のフィラス(Firas)君とそのクラスメートたちはおそらく特別なケアが必要な子どもたちのための学校へ通っていることでしょう。そして少人数制クラスのメリットを受けていたでしょう。

しかしながらここはイラク北部です。この子どもたちは現在も命があり、クルド自治区の首都エルビルにある州立アミンザキ小学校で勉強できるだけで幸せなのです。アラビア語を話す1500人の生徒の殆どは、2006年の宗派間抗争勃発後に、バグダッド、ディヤラ、キルクークそしてモスルなどから避難してきました。

「この学校の子どもたちの多くが、イラクの暴力行為によって深く心が傷ついています」とシニアスタッフのナジファ(Nazifa)さんは説明します。「自分の父親が殺されるのを見た子どももいます。彼らには、通常の学校ではなく、心理カウンセリングがある特別学校が必要ですが、ここにはそういったサービスがありません。」

フィラス君は近親者を失ってはいませんが、間近で醜い戦争を見ました。2007年には学校のすぐ外で爆弾が爆発し、彼はいまだにその時の衝撃的な経験を夢で見ます。一家は治安状況の悪化を理由にイラクの首都を離れることを決意しました。

フィラス君の両親は彼が今も教育を受けることができて満足していますが、フィラス君はトラウマのための特別なケアを受ける必要があります。また、治安の悪いイラクの他の地域からも多くの生徒が避難してきているため、この学校の状況は理想とはかけ離れたものとなっています。

単純に生徒が多すぎるのです。学校の過密化は、この地域のほぼ全ての学校に影響を与えている問題です。同様に、エルビル中心部にあるシュラマ小学校では、ひとクラス40人から50人というのは多すぎると過労気味の教師たちが訴えています。ちなみに先進国での小学校の平均クラスサイズは22人です。

「多くの生徒が簡単におちこぼれてしまいます。また学校のインフラではそんなに多くの生徒には対応することができません」と教師たちは言います。そのうえ、一学級にこれほど多くの生徒がいるため、一部の生徒は午前中、残りの生徒は午後に通学というようにアラビア人学校はシフト制を導入しなければなりません。

火災で損傷したシャラマ小学校の教室は、昨年UNHCRからの資金援助で改装され、またアミンザキ小学校でもUNHCRが修繕を行いました。シュラマ小学校の教師52人は、全員がバクダッドからの国内避難民であり、仕事があることを感謝していますが、一ヶ月の平均給与450米国ドルでやりくりしていくのはとても大変だと言います。

「エルビルの私の家の家賃は400米国ドルです。夫が日雇いの仕事を見つけたのでうれしいです。そうでなければ生活していくことはできないでしょう。」そう話すアナ(Ana)さんは、貧しい生徒たちがバス通学できるようにと自分の収入から支援しています。クルド語を主に話すこの地域で、彼らの新しい家の近くにアラビア人学校を見つけることは困難なのです。

避難民家族の多くは収入源が限られており、エルビル中心部にあるアラビア人学校の近くに住んだり、あるいは一ヶ月50米国ドルの交通費を払う余裕はありません。「貧しい子どもたち全員のために交通費をいつでも払えるわけではありません。そのため何人かは家に残るのです」とアナさんは言います。

授業料は無料ですが、制服や学用品の代金がかかります。UNHCRは交通費や他の通学関連の支払いに苦労している家族を支援する方法を検討しています。UNHCRはまた、エルビルにある6校を含むクルド自治区の12校以上の避難民の子どもたちのための学校の改修工事にも資金を提供してきました。

「イラク国内の避難民の子どもたちが教育を受けられるよう改善していくことは優先事項です」とクレア・ブルジョワ(Claire Bourgeois)UNHCRイラク代表は強調し、また無断欠席や児童労働の問題に対処するため、UNHCRでは政府や他の支援機関とともに、避難民が生計を立てられるように努めていると付け加えました。

少なくとも、エルビルの子どもたちは頑丈な建物のなかで勉強しています。東にあるゴジャールでは、避難民の子どもたち120人以上が、UNHCRが運営している難民キャンプ内のテントで勉強しています。ここでは2011年7月にイラクとイランの国境にある村から砲撃から逃げてきた家族が暮らしています。

「困難な状況にもかかわらず、避難民の子どもたちみんなが彼らなりに何とか暮らしを続けているのを見るのは、励みになります」とブシュラ・ヘイルポータUNHCRエルビル事務所長は言います。UNHCRがもっと多くのことができる良いと彼女は願っています。近郊の町カラディザでは、毎日の通学バスを運営する計画がたてられています。

原文 : UNHCR assists displaced children in Iraq’s Kurdistan region
ソース : UNHCR News Stories
日付 : 2011年10月31日
日本語訳 : 志田佳奈子・佐藤奈美(国連UNHCR協会ボランティア)

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