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ふるさとでの地方議会選挙を見守るイラク難民
2009年2月1日、エジプト、ヨルダンそしてシリアなど近隣諸国にいるイラク難民は、週末にかけてふるさとイラクで実施された地方議会選挙の結果を複雑な思いで見守っていました。
2005年以来初めてとなったこの選挙は、1月31日に概ね平和的に実施され、18県のうち14の県で有権者のおよそ50%が投票に出かけました。440議席をめぐって1万4000人以上の候補者が争いましたが、公式な選挙結果は2~3日中に発表される見込みです。クルド人自治区の3つの県では投票は行われず、またキルクークでは延期されました。
2009年後半に行なわれる総選挙に先立って実施されたこの選挙は、将来にとって大変重要であると信じる難民がいる一方、地方議会選挙が行われたところで何も変わらないと考える、楽観的ではない難民もいます。
難民のモハメド(Mohamed)*さんは、「この選挙は大部分において公正・公明でした」と、ヨルダンの首都アンマンにあるUNHCR駐在事務所のスタッフに話しました。カイロ在住のイラク人写真家アイシャ(Aisha)*さんは、選挙が和解のための機会を与えたことを認めています。「私は民族の境界を超えて活動する用意ができていますし、(和解の)責務を負うつもりでいる人なら誰にでも投票します」とアイシャさんは話しました。
「議席の過半数を誰がコントロールするのか、誰が権力を握るのかということは気にしません。私が真に望むのは、民族や宗教に関わらず全てのイラク人を受け入れることのできる平和なイラクです」と2006年以来カイロに住むアボウ(Abou)*さんは話しました。
多くのイラク人難民が地方議会選挙を注意深く見守ってきた一方、 選挙の実施に何ら成果を見出せず、興味を示せないもしくは悲観的な人々もいます。ダマスカスに身を寄せるイラク難民のオマール(Omar)さんは、「選挙には何の意味もない。(イラクという)国は破壊されてしまい、人々は個人の利益や地位のことしか関心がないんだ」と辛辣に話します。
また、あまりに悲惨な経験をしたためイラクには戻りたくないと思っている人もいます。「私の家族のほとんどは、殺されたり誘拐されたり、あるいは世界中に難民となって散らばってしまっています」とカイロに住むローズ(Rose)*さんは言います。彼女の家族は宗派間暴力の標的となっていました。「誰が地方議会選挙で勝つか関心あると思いますか?少なくとも私は関心ありません。」と彼女は付け加えました。
多くのイラク人難民がいまだ国外で生活しています。UNHCRはシリア、ヨルダン、レバノン、エジプトそしてトルコなどを含む近隣諸国にいる30万人以上のイラク人を難民登録しています。2008年の一年間で、およそ19万5000人のイラク人国内避難民と2万5000人の難民がふるさとへの帰還を果たすことができました。
イラク国内では、治安情勢が改善するなかUNHCRはそのスタッフと活動を増やしています。2009年の予算を8100万USドル(約73億1430万円)に倍増し、地方の事務所数を10から16箇所に増やしているところです。イラク難民支援のため、皆様からの温かいご支援を今後とも宜しくお願いします。
* プライバシー保護のため名前は変えてあります。
* 1USドル=90.3円で計算(2008年12月31日現在)
原文 : UNHCR-Iraqi refugees follow provincial elections back home
ソース : UNHCR News Stories
日付 : 2009年2月3日
日本語訳 : 志田佳奈子・佐藤奈美(国連UNHCR協会ボランティア)
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