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アンジェリーナ・ジョリーUNHCR親善大使、イラク難民を忘れないよう訴える
アンジェリーナ・ジョリーUNHCR親善大使は、イラクの治安状況がある程度改善したにもかかわらず、避難生活をする何十万人ものイラク難民のことを忘れないよう国際社会に訴えました。
シリアなどの近隣国に逃れていたイラク難民のうち、数万人はこの1年の間に帰還を果たしましたが、暴力が継続しているため、帰国できない又は帰国したくないという人々が大勢います。イラク問題が世界のニュースの見出しにほとんど出なくなったことにより、イラク難民の苦境が伝えられることも少なくなってしまいました。
ジョリーUNHCR親善大使は、2007年の訪問の際に訪れたシリアの首都ダマスカス郊外にある最も貧困な地域に避難しているイラク難民を再度訪れ、彼らが未だ生きて行くために支援を必要としていると語りました。「多くのイラク難民は、母国で受けた耐え難い経験によるトラウマ、今後の選挙や治安へ向けての不安、基本インフラの不足などが帰還することへの障害となっています。ここの難民はこれからも国際社会からの支援と援助を必要としています。」
世界的に有名なアメリカの女優ジョリーUNHCR親善大使は、パートナーのブラット・ピット氏と共に、訪れたダマスカス南部のジャラマナ地域に住むイラクの二家族に温かく迎えられました。一軒目の家族は、2006年にシリアに避難した7人家族です。二軒目の家族は少数派の宗教グループのメンバーで、息子のワリード(Waleed)*さんが2度誘拐され、母親のホダ(Hoda)*さんが身体的虐待を受けたのち、2009年7月にシリアに逃れました。家長であるファレ(Fares)*さんはワリードさんの1度目の誘拐の身代金として2万5000USドル(約225万円)を支払わなければなりませんでした。
2度目は息子と母親の2人を誘拐され、ファレさんは4万USドル(約360万円)を工面しなくてはなりませんでした。2人は解放されましたが、拷問を受けるなど非常に辛い体験に苦しみました。ホダさんは「13日間毎日10人もの男たちから暴行を受けました」と、震えた声で話しました。「自殺したかったけれども、子供達のことを考えるとどうしてもできなかった」と続けます。
ホダさんとワリードさんの解放とともに、一家はシリアに避難しました。
「お話ししてくれて本当にありがとうございます」とホダさんの手をしっかりと握りながらジョリー氏は感動して言いました。「あなたが話してくれたことによって、みなさんが抱えている問題を理解しやすくなります。この地域にはたくさんの苦しみがあります。あなたは子どもたちの為に苦難を乗り越えた、勇敢で強い女性です。」
シリアはイラク難民たちをとても歓迎してくれるけれども、この国に残って定住することはとても難しく、第三国定住を希望すると彼らは語ります。またここにいる間、彼らはUNHCRからの食料や財政支援を頼りにしています。
UNHCRは、地元機関やシリアのアラブ赤新月社と共に活動しながら、近隣国(特に最も多くのイラク難民がいるシリアやヨルダン)の脆弱な難民たちえを支えています。この支援には物資、資金、医療そしてその他が含まれます。
ここ数年の間にシリアに逃れてきた難民の多くの家族は、母国から持ち出した自己資金も底をつき、政府やUNHCRのような人道支援に頼らざるを得ません。
ジョリーUNHCR親善大使がはじめに訪れた家族は一例です。両親と7歳以下の子ども5人の7人家族が小さな窓がひとつあるだけの地下の荒れ果てた風通しの悪い1部屋にひしめいています。所有しているものは、マットレスと毛布と食料の入った箱で、これらは全てUNHCRから提供されたものです。
彼らにも悲惨な話があます。父親であるタハ(Taha)さんは、誘拐され拷問されたことにより、今でも悪夢にうなされ、住んでいるアパートから外に出ることすらままならないのです。彼の妻イブティサム(Ibtissam)さんは、家賃の支払い、衣服や薬などを購入するのに四苦八苦していると語りました。彼女は教師の資格があるのですが、マーケットで清掃の仕事をしています。
「大学の卒業証明書は破り捨てました。ただの清掃員にはなんの役にも立ちませんから」とイブティサムさんは言いました。彼女は、家族みんなと第三国で新しい生活を始めたいとジョリーUNHCR親善大使に話しました。2007年の訪問でジョリーUNHCR親善大使が会った家族のうち、二家族はアメリカに再定住し、もう一家族は最近になってイラクに戻りました。
ジョリーUNHCR親善大使は訪問した家族たちについてこう話しました。「難民たちは直面したトラウマからまだ回復していません。解決策がみつかるまで、もしくは彼らがふるさとに戻れるその時まで、必要な資金や食料をUNHCRが提供できるよう、国際的社会からの支援がとても重要なのです。」
ジョリー氏はバッシャール・ル=アサドシリア大統領 と妻アスマー・アル=アサド氏と会いました。彼らはジョリー氏に、シリアが最も脆弱な難民たちへの医療支援と子供たちが学校に行けるように尽力していると話しました。
「シリアの人々は、彼ら自身がどんなに大変で難しい状況であっても、困っている人々をいつでも寛大に厚遇していることは言うまでもありません。シリア以外の全世界の人々がこの負担をシェアし、イラク難民たちを助けてくれるよう願っています」とこの会見の後ジョリーUNHCR親善大使は話しました。
2003年の紛争以来、420万人のイラク人が家を追われ、現在21万5000人のイラク難民がシリアのUNHCRに難民登録をしています。その大多数が、食糧、その他の物的支援に依存しているのです。
• 個人情報保護のため、仮名を使っています。
• 1ドル=90.1円で換算。
原文 : UNHCR Goodwill Ambassador Angelina Jolie urges the world not to forget Iraqi refugees
ソース : UNHCR News Stories
日付 : 2009年10月2日
日本語訳 : 佐藤奈美・志田佳奈子(国連UNHCR協会ボランティア)
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