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イラクでの人道的支援に必要な継続的援助
これは、ロン・レッドモンドUNHCR報道官が2009年6月2日にジュネーブの国連欧州本部で行った発表の要約です。
最近のイラクにおける人道状況は注目されないことが多くなってきていますが、UNHCRは依然として、イラク国内外の何百万人もの難民・避難民の要望に応えることが非常に重大であると考えています。
このことは、5月28日に行われたUNHCRの会議でドナー国に対して伝えられました。この会議において、ラドゥアン・ヌイセル(Radhouane Nouicer)UNHCR中東と北アフリカ局長は、イラクは依然国際社会からの支援を必要とする、難しく脆弱な移行局面にあると述べました。
全体的に治安状態は改善してきているとはいえ、まだ大量のイラク難民に帰還を促せるほどではありません。いまだ150万人以上のイラク難民が国外におり、その多くはシリアとヨルダンで避難生活を続けています。さらに200万人の国内避難民がいるのです。帰還する人もなかにはいますが、多くは安全でも永続的でもありません。難民・国内避難民の安全にとって不利益である場合や、イラクの脆弱な受け入れ能力に悪影響を与えることになることもあるため、帰還を強いるべきではないとUNHCRは考えます。
同時に、イラク政府自体も政治、選挙そして内戦の和解など多くの優先事項において分裂しています。イラク政府には、社会経済問題、難民や国内避難民の円滑かつ持続可能な帰還や再統合の必要性など多くの課題が待っています。イラク政府は、難民・避難民と帰還者に関する国家政策の実施をさらに進展させ、土地の配分や財産の補償問題の裁定をし、大規模な住宅問題に釣り合うだけのより大掛かりな住宅・復興対策を打ち出す必要があります。
これら国内の課題に加え、移動や支援物資の配給を妨げる厳しい治安協定のみならず、資金不足がUNHCRと人道支援パートナーにとって障害となっています。にもかかわらず、私達UNHCRとそのパートナーの多くはイラクの17県のうち14県に駐在事務所を設立してきました。しかしこれらの努力は、大きな社会的・経済的課題の解決に取り組む、国や政府主導による枠組みに組み込まれなければばらばらなままになってしまうでしょう。2009年にUNHCRがイラクでの活動に必要な資金2億9900万ドル(約280億円)のうち48%のみ援助されましたが、さらなる資金援助をすぐに受けられなければ、いくつかのプログラムの実施は難しいでしょう。
イラク国外では、難民受け入れ国側が大きな負担に耐えつづけており、難民を保護しているこの状況が徐々に長引くのではという懸念がますます強まっています。受け入れ国は国際社会の支援を必要としており、支援を受ける資格があるのです。
ドナー国に対する報告の中で、ヌイセル局長はUNHCRの仕事は4つの分野に焦点を置いていると言及しました。1点目は、家を追われたイラク人を保護する場所を維持する必要性で、彼らの多くはいまだふるさとに帰ることができなかったり、あるいは帰りたがらないでいます。2点目は、国内避難民や難民の帰還に向けてイラク国内でのさらなる準備を整える必要があります。これにはイラク政府や地元当局が帰還民の適切な受け入れや持続可能な再統合を確実に行えるように援助することも含まれています。3点目は、2009年から2010年にかけてイラクにおける活動の重要分野である再定住です。UNHCRは、隣国諸国にいるイラク難民6万人以上が再定住先を必要としていると見積もっています。UNHCRはすでに紹介状約7万通を再定住国に提出しましたが、実際に出発したイラク人は2万5000人を下回っています。4点目は、パレスチナ人、イラン人、トルコ人やその他不安定な状態にある人々を含むイラク国内のそのほかの難民グループにも、引き続き焦点を当てていくことです。
UNHCRは、不安定な局面にある現時点で、イラクでの人道支援活動に対する援助や取り組みを減らすことは非常に危険であると国際社会に訴えます。イラクは過去40年間にわたって、非常に大規模な強制退去の波を経験してきました。それにより深い社会的混乱と複雑な人道的問題を生じてしまったのです。そのような複雑な状況に安定をもたらすには時間がかかり、全ての人が共同して継続的に携わっていくことが求められます。
1ドル=約96.8円で換算
原文 : Iraq humanitarian effort needs ongoing support
ソース : UNHCR Latest News
日付 : 2009年6月2日
日本語訳 : 志田佳奈子・佐藤奈美(国連UNHCR協会ボランティア)
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