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故郷イラクの地方選挙に注目するイラク難民
エジプト、ヨルダン、シリアなどのイラクに隣接する国で避難生活を送るイラク難民は、複雑な心境で2009年2月2日のイラク地方選挙の結果を待っていました。
1月30日に平和的に行なわれた投票では、イラク国内18州のうち14州において、2005年以来初めて有権者の約50%が投票したことが明らかになりました。440議席に対し1万4000人以上の立候補があり、公式な結果は数日中に発表される予定です。半自治体であるクルド人地域の3地区では選挙は行われず、キルクーク(Kirkuk)では投票が延期されました。
イラク難民の中には、この選挙は今年後半に行われる総選挙に先行するもので、未来のためにとても重要な選挙だと信じると言う人がいる一方で、この地方選挙ではなにも変わらないという悲観的な人たちもいます。
「この選挙では大部分において透明性が確保されました」とモハメッド(Mohamed)さんはヨルダンのUNHCRアンマン事務所のスタッフに話しました。カイロに住む写真家のアイーシャ(Aisha)さんも、選挙が和解の良い機会になっていると言います。「私は民族グループを越え、和解に向けて責任を取ってくれる人なら誰にでも投票します。」
「誰が過半数を取るのか、支配権力をもつかどうかより、民族や宗教にかかわりなく全てのイラク人が和解することができるイラクの平和を心から望みます」と、2006年からカイロに住むアボウ(Abou)さんはこう言います。
多くのイラク難民が地方選挙について注目してきた一方で、現実的メリットがみえてこないため、選挙に興味を示さない、もしくは悲観的な人々もいます。「この選挙には何の重要性もありません。国は破壊され、人々は自分たちの利益や立場だけが大事なんです」と、ダマスカスに難民として暮らすオマー(Omar)さんは苦々しく話します。
また、ひどいトラウマによってイラクに二度と戻りたくないという人々もいます。「私の家族のほとんどは殺されたり誘拐されたり、もしくは世界中に難民として散り散りになっています。私は二度とイラクには戻りません」とカイロに住むローズ(Rose)さんは言います。彼女の家族は宗派対立による暴力の標的となっていました。「地方選挙で誰が勝つかが、私にとって何か関係があると思いますか?少なくとも私には何の関係もありません」と彼女は付け加えました。
多くのイラク人がいまだに海外で避難生活を送っています。UNHCRは、30万人以上のイラク人をシリア、ヨルダン、レバノン、エジプトやトルコを含む近隣諸国で難民登録を行ないました。2008年、およそ19万5000人の国内避難民と2万5000人の難民は帰還を果たすことができました。
イラク国内の治安状況が改善するなか、UNHCRは活動をより強化し、その存在感を強めています。2009年には予算を8100万USドルに倍増し、また、地方の事務所数を10から16に増やしています。イラク復興に向け、皆様からの継続的な支援は大変重要であり、心強いものです。UNHCRは皆様からのご支援に心より感謝いたします。
*プライバシー保護のため、文中の名前は仮名をつかっています。
原文 : Iraqi refugees follow provincial elections back home
ソース : UNHCR News Stories
日付 : 2008年2月2日
日本語訳 : 佐藤奈美・志田佳奈子(国連UNHCR協会ボランティア)
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