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UNHCRの援助で大学進学の夢を叶えるイラク難民の学生

ダマスカス郊外にあるアパートで勉強するマリアムさんダマスカス郊外にある、荒廃した土地を見下ろすアパートの裏で、18歳のマリアム(Maryam)*さんは法律を勉強するという彼女の夢であった生活を送っています。

2005年8月、イラク難民としてこの地に避難してきた時、大学で法律を学ぶという彼女の夢は永遠に消えてしまったかのように思われました。10代の彼女は、殺害の脅迫を受け、先にシリアへと逃れてきた父親と合流するため、母親や兄弟たちと共にバグダットを逃れシリアに避難してきました。

貯蓄は殆どなく、UNHCRからの援助に頼っているため、高等教育にお金を使う余裕はありませんでした。「娘は自分の夢がすべて打ち砕かれてしまったと感じてひどく泣きました」と母親のファティマ(Fatima)*さんは思い返します。

2008年9月、ジャラマナ地区郊外にあるコミュニティセンターで、UNHCRによる、困窮しているイラク難民の子どもたちのための大学進学の支援計画をファティマさんは知りました。このプログラムは2008年11月、高等教育省(Ministry of Higher Education)との合意のもとに開始され、ダマスカス、アレッポ(Aleppo)、ホムズ(Homs)、ディールエゾール(Deir Ezzor),ラッタキア(Lattakia)の各市にある大学でイラク難民154人が学士課程をスタートしました。

マリアムさんも応募し、ダマスカス大学で法律を学ぶことが許可されました。現在、大学1年生のマリアムさんは、イラクに戻り法律家として国家再建の一助となることを願っています。「イラク再建は私達世代の責任です。だからこそ学ばなければならないし、また学び続けるべきなのです」と彼女は言います。

彼女の成功は、彼女の家族、とりわけ教育の重要性を知っているファティマさんにとっても大きな喜びでした。「私は子どもたちにいつも教育がすべてだと言ってきました。マリアムが大学で勉強できる道を見つけられるように神様に祈り、そしてその通りになりました。」

シリア人はほぼ無償で大学教育を受けられる一方、イラク難民は入学金を払わなければならず、学部によっては数千ドルにもなる場合もあり、またテキスト代もかかります。UNHCRにとっても教育は重要事項であり、難民の子どもたちすべてが教育を受けられることを目的とする、“ninemillion.org”というインターネット・ベースのキャンペーンを行っています。シリアでは2007年に、UNHCRとユニセフが1万人のイラク人の子どもたちが教育を受けられるプログラムをそれぞれ立ち上げました。

同じく大学教育プログラムを受けているモハメッド(Mohammed)*さんは、ダマスカス大学でメディアとコミュニケーション論について学び、有名なニュースキャスターになることを夢みています。2006年、モハメッドさんはバクダットで学校からの帰宅途中に誘拐されました。1週間に及ぶ拘束の間に暴行を受け、家族が4万ドルの身代金を払い解放されました。その4ヶ月後、家族はダマスカスへと避難しました。

しかしながら、この体験によって彼の信念や決心が揺らぐことはありませんでした。中学校では優秀な生徒であったモハメッドさんは、今では誘拐のことなど気にかけていません。「多くのイラク人が同じような経験をしているのです」と社交的で自信に満ちたこの若者は言いました。「もし誰もが怯え片隅で怯えて座っていたら、誰がイラクを再建するのですか?」

ダマスカス大学の奨学金をうけている学生リーム(Reem)さんには怯えるだけの充分な理由があります。「私は腕を失って障害者となり、書く術を失うという悪夢のような人生を生きてきました」と20歳の彼女は言います。2006年、イラク北部の都市モスルで爆発に巻き込まれ負傷したのです。しかしモハメッドさん同様、この苦難を乗り越え、高等教育を受けるという強い希望を持ち続けました。彼女はUNHCRのプログラムに応募し、入学を許可された109人の女性のひとりです。

「今、私は幸せです。自分の未来だけでなく、母国であるイラクの未来に向かって第一歩を踏み出したように感じています」とリームさんは満面の笑顔で言いました。
* 本人の保護のため、仮名を使っています。

原文 : UNHCR helps Iraqi students achieve university dreams
ソース : UNHCR News Stories
日付 : 2009年1月22日
日本語訳 : 志田佳奈子・佐藤奈美(国連UNHCR協会ボランティア)

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