
HOME > UNHCRの難民援助活動 > 高嶋由美子インタビュー(2009年7月3日)
高嶋由美子 インタビュー
2009年1月にイランの首都テヘランにあるUNHCR事務所に赴任した高嶋由美子上級フィールド調整官。一時帰国した7月3日に、イランでの活動について聞きました。
都市に住む難民たち
イランで難民として正式に登録されているアフガン難民は94万人、イラク難民は4万4000人です。他にもアフガン人約180万人、イラク人110万人が、イラン国内で不法に出稼ぎ労働者として暮らしていると言われています。難民キャンプで暮らしている人は3%だけで、都市で暮らしているケースがほとんどです。登録した難民は6ヶ月ごとに更新する難民証を受け取り、就学や就職が可能となります。しかし、更新手数料7000円が毎回かかります。
今は帰還よりも生活支援
イランには、1970年代のソビエト侵攻時代、タリバン時代、アメリカによる空爆以降という各時代にアフガニスタンから逃れて来た人々が住んでいます。2002年以来イランから180万人がアフガニスタンに帰りましたが、帰還する人の数は減少しています。アフガニスタンの首都カブールに赴任していた2002年から2004年には、私はおもにパキスタンから帰還した人たちの支援に携わっていました。当時はちょうど新しい歴史の1ページに参加している思いを皆が抱いていただけに今の状況は残念ですが、アフガニスタンの治安状況が悪化している以上、アフガン人にはひとまずイランに留まってもらう支援が重要だと考えられています。
経済力のあるイラン
石油を産出するイランには経済力があり、近隣の国々と比較すれば安定しています。政府にお金はあるわけですから、アフリカの貧しい国とは支援方法が異なります。習慣の違いから、「この病気はアフガン人が持って来た」というようなことを言われるので、例えば、アフガン人が多く住む地域では、下水設備を整備する支援を行ったりします。
地方政府との連携
現在、イランでは、”One donor, one province”という考え方で、ある国からの支援はどこそこの州に集中してもらうという試みを始めています。難民居住地が3ヶ所あるヤズド(Yazd)州政府から支援依頼が来ているので、例えば日本からの支援と結びつけて、ごみ収集など衛生状況の改善を促す支援活動を実施できればと考えているところです。イランは地方政府の力が強いので、各地域との調整が重要となります。
日本とイランの国交樹立80年目
5月の大統領選挙は、テレビ討論が行われたりして活気があり、とても開かれた選挙だという印象を持っていました。一部の通りで暴動が起きた時期は、UNHCRの車を使用しないで目立たないように行動しましたが、もう普通の状態に戻っていると思います。報道内容はメディアによって温度差があると感じました。
いずれにせよ、2009年は日本とイランの国交樹立80年目、文化交流50年目にあたります。色々とマイナス面ばかりが強調されてしまいますが、この国の長い歴史と文化、ホスピタリティーのあふれる人々、そしてとってもおいしいお食事もありますので、ぜひイランにいらっしゃって、ご自分の目でイランという国を見ていただきたいと思います。
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