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マケドニアのゴミ収集所を生活の支えとする難民

ステンコヴァツでペットボトルを選別するロマ難民9年前には35万人のコソボ難民たちを受けいれていた町、ステンコヴァツ(Stenkovec)は、今では巨大なゴミ溜めと化しています。

しかし、ロマ系マケドニア人の若き起業家であるゾラン・ディモヴ(Zoran Dimov)さんにとってはゴミ溜めもビジネスの機会となり、山積みになったゴミの近くにリサイクル工場を経営しています。この新事業において、ディモヴさんはロマ難民を雇用し、UNHCRによる難民の自立支援をサポートしています。

UNHCRは、マケドニアの景気低迷時においても、難民が援助依存から脱することを望んでいます。マケドニアはヨーロッパの中でも失業率が最も高い国のひとつで、ロマ系コミュニティでは90パーセントにまで達しています。

マケドニアの首都スコピエの北部はかつては自然のままの農村地帯でしたが、ステンコヴァツの地元団体により放棄されたゴミが山積みとなり、何千何百ものペットボトルやビニール袋などが散在していますが、それをリサイクルすることでディモヴさんは自身の役割を果たそうとしています。

2月のある朝、UNHCRスコピエ事務所の職員がステンコヴァツや近隣のヴィスベゴヴォ(Visbegovo)を訪問した際にディモヴさんの工場を訪ねると、20人のロマ系従業員がペットボトルの収集、選別作業をしていました。従業員の中には難民としてUNHCRの支援を頼りとしていた人々もいます。

1999年にマケドニアに避難する前はコソボの工場で働いていたという難民労働者の一人は、「大変だがまともな生活の仕方だ」と言います。「しかし数年の間は、7人いる家族の生活も支えられずにUNHCRの援助に頼るしかなかった」。彼と妻、そしてふたりの息子はこの6ヶ月間、ディモヴさんの工場で働いています。

ロマ系テレビ局も所有し、さらなる新事業に関心を見せるディモヴさんでも、2005年に工場を始めた当時、事業は順調ではなかったと言います。「少しずつ築き上げてきて、今ではスコピエで12カ所、マケドニア国内では他に20ヶ所もの収集場所を持つまでになりました。顆粒状プラスチックは主にイタリアへ輸出しています。」

ロマであり、またUNHCR の活動を長年支援している実業家のディモヴさんは、現状下でコソボに戻ることのできない難民の問題をよく理解しており、手助けをしたいと考えています。

「それぞれの収集場所で数名、そして工場内でも雇用するよう努力しています。総務で数名雇うことも考えていますが、コンピューターや言葉、会計などのトレーニングが必要でしょう。UNHCRと共に計画していきたいと思います」と、ディモヴさんは言います。

2007年9月に外国人の雇用および労働に関する新たな法律 が採択されたことで、難民は合法的に就労できるようになりました。「法律の規定によれば、難民は合法的に雇用され家族を支えていくことができます。今こそ民間企業がCSRの一部として、ロマ難民のように不安定な生活を送る人々のための職業訓練、教育事務所、後の雇用に向けた対策を立てる時です」と、カルロス・マルドナードUNHCRスコピエ代表は言います。

ロマ難民を雇用するディモヴさんの方針は、UNHCRによる難民の自立支援にも通じます。この戦略の一部としてUNHCRスコピエ事務所は現在、政府省庁および市民社会の協力団体と共に、マケドニアで避難生活を続ける難民や庇護申請者の教育水準、技能、トレーニングの内容などに関するデータ収集作業をすすめています。

UNHCRは、難民にとって有益となる教育施設やコースを見極め、また難民の雇用の可能性について地元の企業に働きかけていく予定です。マケドニアは1860人もの難民を受け入れており、そのほとんどはコソボからのロマ難民です。

原文 : One Macedonian town’s waste is refugees’ livelihood
ソース : UNHCR News Stories
日付 : 2008年3月17日
日本語訳 : 石井里佳(国連UNHCR協会ボランティア)

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