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スリランカ:ふるさとに向かってもう一歩

自分で建てたシェルターの中でUNHCRスタッフと話すヴィジェヤ・クマールさん40歳になるヴィジェヤ・クマール(Vijeya Kumar)さんは東部のトリンコマリー近郊の村で、本業の大工の技とUNHCRが用意した資材を使って、家族のための新しいシェルター(仮設住宅)を仕上げているところです。

何千人にものぼるスリランカ国内避難民の一人であるクマールさんは、3年前に住んでいた村にも内戦の戦火が及んだとき、家族を連れて近郊のバティカロアへ逃げました。

内戦が終結し、クマールさんも他の避難民と同様にふるさとへ帰ることを願っています。そして、彼は他の人々よりも幸運に恵まれ、その夢に一歩近づいています。

先日、ふるさとサンポール(Sampoor)村からほんの数マイル離れた村に移りました。「私の村は危険度の_い地域の中にあるので、戻るにはまだ数ヶ月待たなければならないのです」と、17歳の息子と11歳の娘の父であるクマールさんは言います。

長年の内戦により50万人以上の国内避難民が発生し、うち28万人は、2009年5月に内戦を終結させることとなった北部における最後の数ヶ月間の武力衝突により避難を強いられました。

UNHCRは協力機関とともに、国内避難民が避難生活を送っている間も、ふるさとに帰還する際も、支援物資の提供などの人道支援活動を行っています。

「UNHCRは、1987年以降、度々にわたり避難を余儀なくされたスリランカの国内避難民を支援しています」と、コロンボでの事業責任者であるエリザベス・タン(Elizabeth Tan)UNHCR職員は言います。「必要とされるシェルターや支援物資を提供しています。ふるさとに帰還できる人たちにも、移動と再定住の助けとなるようシェルターキットとその他の支援物資を支給しています」

また、「避難民にとっての最良の解決策は、状況さえ許せばふるさとの自分の家に戻ることなのです」とも述べました。UNHCRの支援により、過去2年間で約22万人がスリランカ東部のふるさとに帰還しています。

クマールさんが仮の住居を建てている村では、同様に帰還を待つ72世帯が、ふるさとに立ち入りができるようになるまで、地元コミュニティから土地と住居資材の支給を受けました。クマールさんの他には、日雇い労働者、ふるさとの水田に戻りたがっている農民などもいます。

「息子と二人でこの家を建てていてもう住める状態です」と、クマールさんは誇らしげに、板に釘を打ちつけながら言います。「最初はここに来てもどうしたものかと思っていましたが、やはり先祖の土地の近くにいると気持ちが落ち着きます。このあたりのことは分かりますし、私のこともみんな知っています。自分の村と畑の近くにいて、自分が地元コミュニティの一員であると感じられることは、とても素晴らしい気分です」

帰還した農民のタンガラサ・ラサクラシンガム(Thangarasa Rasakulasingham)さん(46)は、「あちこち移動するのはきついですがね」と認めるものの、「ここはほとんどふるさとにいるようなものです。ここからだとうちの水田にも近いからいけますし。バティカロアでは他の人のために働いていましたが、ここでは少なくとも、耕すのも、育てて収穫するのも、私たちの土地であり、私たちの作物ですから」と言います。

クマールさんも、避難の日々はもう終わりであることを願っています。「ふるさとに戻ったら、私の身にも、スリランカの誰の身にも、もう二度と避難することがないよう祈るつもりです」と。

記事:ババール・バロシュ(Babar Baloch)、トリンコマリー発

原文 : Sri Lanka: Not home yet, but one step closer
ソース : Making a Difference
日付 : 2009年8月18日
日本語訳 : 安部健二郎、北川玲貴(国連UNHCR協会ボランティア)

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