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スリランカ:北部では人々の避難が続くものの東部では帰還が進む
スリランカ北部の戦闘から避難する国内避難民が増え続けているために見逃されてはいますが、東部ではうれしいニュースがあります。スリランカ政府、UNHCR、それに協力機関の支援によって、避難民の帰還が進んでいるのです。
キリノッチ(Kilinochchi)、ムッラティヴ(Mullativu)の両地区では、タミール・イーラム解放の虎(LTTE)の最終拠点の奪回を狙う激しい戦闘のため、約23万人が避難したと伝えられています。そのほとんどはムッラティヴ地区に滞在しており、人道支援機関は食料物資の緊急支援をすでに開始しています。今後数週間の間、さらに多くの食糧や生活物資が輸送される予定です。
スリランカ東部においても2年前の2006年、政府軍がLTTE支配下にあった地域を奪回したことから、これと同様に多くの人々が避難しました。記録によると、2007年3月末までにバティカロア(Batticaloa)地区とトリンコマレ(Trincomalee)地区であわせて約17万人が避難しました。これらの避難民は、UNHCRをはじめ東部で活動する人道支援機関の介入により、昨年開始された政府主導の帰還プログラムが大きく改善されたこともあって、バティカロア地区では1万1000人を残して全員が、またトリンコマレ地区では4500人がすでに帰還を果たしています。
コロンボ駐在のアクセル・ビショップ(Axel Bisschop)UNHCR上級プログラムオフィサーは、「UNHCRは今後も、現存する17箇所の避難民居留地区の状況とともに、帰還活動を見守ります」と述べています。「また、事業実施パートナーと連携して、避難地区と帰還後の生活地区のいずれにも支援物資を配布し、定期的に保護状況の監視を行います。」
政府は11月はじめ、避難民が帰還するかどうかを決める前に、戻る予定の村の状況を自ら見て判断できるよう、バティカロア市外のケアセンターに滞在する避難民10名強を対象とした現地視察も実施しました。
避難民は、かつてLTTEの勢力下だった地域の村に案内されました。視察は避難民が自発的に帰還を決めるうえで重要な要素であるため、UNHCRも同行しました。視察に先立って、地雷除去と国連関係諸機関による帰還前評価が行われています。
「過去には帰還活動が性急に進められたこともありましたが、事前視察のプログラムが始まって以来、大きく改善されてきました」と、イェンス・ヘーゼマン(Jens Hesemann)UNHCRバティカロア・フィールド事務所所長は言います。「全ての改善点は帰還が長続きするものとなるために役立っており、最終的には避難民に永続的な解決策を示すことが目標です。」
水、衛生状態、住居、生計手段の不足など、帰還先地域での問題を解決すべく、関係機関はさらに努力を続けています。最近の現地視察では、UNHCR立会いのもと、これらの懸念を避難民が現地地区の行政長官や軍の地区司令官に伝える機会もありました。保育士のセルヴァラサ・アモダニ(Selvarasa Amodani)さんが、帰還した場合に家族が受けられる保護の内容を質問したところ、地区司令官は問題があったら自分のところへ来るようにと答えています。また、帰還先での土地所有権と治安についての質問も出ました。他にも野生の象を心配する意見もあれば、キャンプから出ないと食糧の配給を打ち切られると聞いた、との声もありました。
質疑応答を終えてアモダニさんは安心したらしく、家族と一緒に戻りますと話していました。アモダニさんが避難している間に、家は玄関の扉に至るまで何もかも盗まれてしまいましたが、屋根はかろうじて残っていたのでほっとしたそうです。しかしながら、アモダニさんの近隣住民の中には、家があまりにひどい状況なので仮住居に入らなければならない人もいます。
原文 : Overshadowed by displacement in Sri Lanka’s north, people return home in the east
ソース : UNHCR News Stories
日付 : 2008年11月6日
日本語訳 : 安部健二郎、北川玲貴(国連UNHCR協会ボランティア)
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