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HOME > UNHCRの難民援助活動 > スワート渓谷に戻りたいが、戻る危険にためらい-パキスタン緊急支援 国内避難民の声-

スワート渓谷に戻りたいが、戻る危険にためらい
-パキスタン緊急支援 国内避難民の声-

【2009年8月20日】

アンワール56歳のアンワール*は美しいふるさとであるスワート渓谷を懐かしんでいますが、家族を危険にさらしたくないがために、まだ戻ろうとしていません。

「かつてはもてなしと平和で有名だったふるさとで、今は何が起きているのかわからないのです」と、アンワールはため息をつきます。

チャルバーグで生まれたアンワールと、妻と子ども8人は、妹と年上の義兄弟と共に、マルダン郡の小さな町カトラングで暮らしています。

この不幸な家族は、2009年4月にスワート渓谷で起きた戦闘のために、今年に入って3度も避難しました。彼らは1月にも、軍と過激派の戦闘が激化した際に避難しています。スワート郡で最初の軍事行動があった2年前に、初めて避難しました。

アンワールは、地域に本当の平和が帰ってくるまで戻ることを拒んでいます。

最近までは、スワート郡はパキスタンのスイスと称されていました。緑が生い茂り、山の頂には雪が積もり、果樹園には果物が山と実り、静かに流れるスワート川の斜面には花であふれていました。パキスタン内外からの観光客が絶えないため、地域経済を後押しし、収入がほとんどない人々の働き口となっていました。

50代のアンワールは、実際より年老いて見えます。白いあご髭や皺だらけの顔、暗い声が、彼の嘆きや悲劇を物語っています。農業を営んでいた彼は、最近起きた治安部隊と過激派の戦闘で左足を負傷しました。

「2ヶ月前に軍事行動が始まったとき、私は家にいました」と、妹の家のベッドに横たわりながら、彼は振り返ります。「空爆や爆弾の破片で、左足にひどいけがをしましたが耐えました。ペシャワールの病院に小型トラックで運ばれ、15日にわたる治療を受けましたが効果はありませんでした。私の足はまだ痛むのです」。

彼はまた、再び逃げなければならない時に、けがのために速く歩けないのではないかととても不安に思っています。

「私の子どもたちと妻は、チャルバーグからバリコトまで、むくんで痛くなった脚で、5時間かけて32キロ歩かなければなりませんでした」と彼は言います。その後、交通手段が見つかったのでした。彼の一家は、避難をするたびに同じ道のりを旅しています。

ジャーレブ・アバッド村では、約62世帯がホストファミリーの元に身を寄せています。UNHCRと国際連合人間居住計画(UN-HABITAT)は避難民に、テントやバケツ、マット、ビニールシート、水汲み容器、キルトや毛布を提供しています。また、マルダン周辺の村々では避難民にテントを配布し、村の世帯にかかる負担を軽減しようとしています。

アンワールは義理の兄弟の家で、物資面での欲求は満たせるかもしれませんが、頭をよぎるのは別の事です。「義兄弟のグルや国連機関からいろいろと貰えますが、私たちが求めているのは、スワート渓谷に平和が戻ることなのです」。

パキスタン政府によると、7月13日に公式な帰還プログラムを開始して以来、12万7千世帯、89万人がスワート郡、ブネール郡、ロウワー・ディール郡、シャングラ郡に帰還しています。しかし、アンワール一家が避難していなければいけない限り、しわだらけで、ターバンを巻き、109歳という自分の年を証明する政府発行の身分登録証を持つグルは、アンワールを喜んで支援すると言います。

「来客は神からの贈り物です。アンワールたちは重荷ではありませんよ。」

* 本人の保護のため、仮名をつかっています。

原文 : Pakistan: homesick for Swat Valley, but reluctant to take a chance on going back
ソース : UNHCR website: Telling the Human Story
日付 : 2009年8月20日
日本語訳 : 国連UNHCR協会

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