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アジア地域/ネパール(ブータン難民)

長期化するブータン難民問題

ネパール地図ブータンという国をご存知でしょうか。ブータンといえば、日本の着物に似たような民族衣装を着た人々を思い浮かべる方もいるかと思います。ブータンには仏教徒が多く暮らしていますが、19世紀後半以降ネパールから移住してきたヒンズー教徒もいます。そのネパール系ブータン人たちが、1990年代初頭に政治的迫害を受け、難民となってネパールに避難してきました。ブータン難民はネパール南東部の7つのキャンプで避難生活を送っています。

ナビ 「ブータン難民問題とは」ネパール通信No.1PDF(247KB)

「Youth Friendly Center」オープンを記念してブータン国内でなかなか政治的解決が進まないため、難民たちはふるさとに帰る目処が立たないまま20年近くにおよぶキャンプ生活を強いられています。2006年の世界難民の日(6月20日)にキャンプで行われたイベント会場では、「いつまでも難民のままではいたくない」というプラカードを掲げる難民の姿がありました。特に、若者たちの間では将来に対する不安やフラストレーションがたまり、時にはキャンプの治安を乱すような行動に走る者もいます。そこでUNHCRは、若者たちがスポーツや音楽を通じてエイズ予防や人権について学ぶためのセンターを開設しました。若者たちは主体的にセンターでの活動に取り組むことで自信を回復し、ストレスを発散しています。キャンプ生活が長期化している場合は特に、このようなレクリエーション活動が重要になります。

ナビ フォトギャラリー : ブータン難民の子どもたちへの教育支援
ナビ 「若者たちの思い」ネパール通信No.4PDF(206KB)

難民キャンプ内の診療所に設置されている唯一の太陽光発電パネル難民キャンプに安全を—
太陽光発電パネルのもたらすもの

電気が通っていない難民キャンプでは、明かりは配給される灯油に頼っていましたが、数年前から灯油の値が高騰し、配給が大幅に削減されました。そのため、難民キャンプには夜、明かりがなく、人々は不安を訴えていました。特に女性は、性暴力の被害などもあることから、不安感を持っています。

そのような状況の中、2007年に浜田省吾さん率いるチャリティー団体「J.S.Foundation」やパナソニック電工(旧松下電工)のご支援で難民キャンプに太陽光パネルの設置が始まりました。

ナビ 「真っ暗なキャンプ」ネパール通信No.3PDF(223KB)
ナビ 「キャンプに明かりをともす日本からの支援」ネパール通信No.7PDF(179KB)

太陽光発電パネルが設置されたことで、キャンプ内の治安が強化され、「子どもたちの安全が守られています」など喜びの声を広げています。(ご参考:太陽光発電パネルを現地調達した場合、1基あたり約US$400=約4万6000円)

ソーラークッカー、真ん中にあるのがお鍋。太陽光で調理します環境に配慮した支援

灯油の値上がりにより、調理用燃料として配給されていた灯油は、2006年1月より、石炭の粉末を固めて作った固形燃料に切り替えられました。
UNHCRでは将来的に、地元住民と難民との共同作業で草など環境にやさしい原料から固形燃料を生産し、難民に支給することを目指しています。また、難民キャンプ内では、オランダのNGOが独自の支援として、太陽光をエネルギー源とした調理器具であるソーラークッカーの提供を拡大しました。今では7つの難民キャンプすべてに設置され、2世帯に1台まで行き渡っています。

難民たちの将来

難民の女性たちは大忙しブータン難民のふるさとへの帰還については、ネパール政府とブータン政府の間の話し合いが進んでいません。他方で、以前からアメリカやオーストラリア政府がブータン難民を受け入れる姿勢を示していましたが、なかなかネパール政府がそれを許可しませんでした。ようやく2007年4月にネパール政府の許可が下り、2008年の3月から本格的な第三国への移住がはじまり、2009年1月現在、8,287人が第三国への定住を果たしました。2009年9月時点で、第三国定住希望者77,819人のうち19,500人が既に第三国で生活をしていますが、UNHCRは5ヵ年計画で難民の第三国定住を進めていく予定です。移住先は、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、デンマーク、オランダ、ノルウェーが予定されています。しかし、ブータンのふるさとへ帰る希望を捨てていない難民も多くいます。UNHCRは難民一人ひとりが自分の意思で選択できるよう、移住に関する情報提供を行っています。

ナビ ブータン難民−希望と不安が混じった、新たな旅立ちへ(UNHCR本部ニュース・翻訳)
ナビ 「第三国定住という選択肢」ネパール通信No.10PDF(204KB)

第三国定住をみすえた職業訓練

ユニクロ衣服贈呈式の様子。皆さんで拍手!他の国へ移住しても、いずれふるさとに帰っても、その後の生活に必要となるのは知識と技術です。定住先での就職に役立ちそうな、ケータリング、散髪、水道修理、機械修理、コンピューターコースなどが人気です。成人向けの英語クラスなども活発に実施され、難民自身が教員養成のトレーニングを受け教壇に立っています。

また、難民女性の経済的・社会的地位の向上を図るため、「ブータン難民女性フォーラム」を中心として生理用布、ベビーブランケット、ジュートマット作りなども行われています。機織りに参加している女性は、「とてもいい仕事なのでこれからもっと高い技術を身に付けたいです」と意欲的です。

日本からの支援

日本の方々からはさまざまな形でベルダンギⅡ難民キャンプでストレッチ・エクササイズをする1976年オリンピック、女子バレーボール金メダリストの高木貴子(旧姓、白井)さんネパールの難民キャンプを支援していただいています。2007年より3度にわたり、株式会社ユニクロと全国の皆様のご協力を得て、難民キャンプにリサイクル衣料が届けられ、難民たちは山間部の厳しい寒さをしのぐことができました。また、2007年4月には白井貴子さんらモントリオール五輪バレーボール金メダリストの方々がバレーボール指導のためにキャンプを訪問し、普段は娯楽活動の少ないキャンプに活気と笑顔をもたらしました。

ナビ 「ユニクロから届いたぬくもり」ネパール通信No.8PDF(204KB)
ナビ 「バレーボール大会in難民キャンプ」ネパール通信No.9PDF(179KB)

2008年3月、キャンプの一つ、ゴールダップ難民キャンプで大火災が発生し、建物の9割が消失し、約8000人が住居を失いましたが、日本の皆様からの迅速なご支援のおかげで、キャンプは見違えるように復活しました。道幅をこれまでより広くとるなど、防火対策もとられています。
これからも、難民たちに笑顔と勇気を与える温かいご支援をよろしくお願いいたします。
(2010年7月更新)

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<ネパールのブータン難民 最新ニュース>


2008年

9月23日 ブータン難民5000人以上がネパールから第三国へ定住(UNHCR本部ニュース・翻訳)

4月30日 ゴルダップ難民キャンプでの火災に対する緊急報告(UNHCR本部アピール・翻訳)

4月22日 ネパールとチャド、火災による灰からの難民キャンプ再建(UNHCR本部アピール・翻訳)

3月25日 ブータン難民−希望と不安が混じった、新たな旅立ちへ(UNHCR本部ニュース・翻訳)

3月14日 ネパールからの第三国定住の先鋒に立つブータンから逃れた難民(駐日事務所ニュース)

3月3日 ネパールの難民キャンプで火災、家を失った人々へ支援が急がれる(UNHCR本部ニュース・翻訳)

2月6日 新たな出発に備えるブータンからの難民(駐日事務所ニュース)

1月4日 ネパールの避難民、慎重な帰還(駐日事務所ニュース)


2007年

12月3日 ネパール:HIV/AIDSへの意識向上に街頭劇が活躍(UNHCR本部ニュース・翻訳)

11月12日 全焼したネパールの難民キャンプに支援(UNHCR本部ニュース・翻訳)

11月12日 UNHCR、火事の被害を受けたネパールのブータン難民キャンプに支援(UNHCR本部ニュース・翻訳)

11月8日 ブータン難民、数か月以内にネパールから第三国定住(駐日事務所ニュース)

7月5日 オランダの子ども達がネパールキャンプで使用されているソーラークッカーでデザート作りに挑戦(UNHCR本部ニュース・翻訳)

6月4日 UNHCR、ネパールの難民キャンプで事態の沈静化を求める(駐日事務所ニュース)

5月30日 根本かおる(UNHCRネパール・ダマク事務所所長)のネパール通信No.10PDF(204KB)

5月23日 グテーレス国連難民高等弁務官、ネパールのブータン難民の自由な意思決定の尊重を求める(UNHCR本部ニュース・翻訳)

4月27日 (株)ユニクロによる「全商品リサイクル活動 フォトレポート」が公開されました。PDF

4月25日 根本かおる(UNHCRネパール・ダマク事務所所長)のネパール通信No.9PDF(232KB)

4月17日 バレーボールの日本人オリンピック金メダリスト、ネパールで難民と交流(駐日事務所ニュース)PDF

2月27日 日本企業からの衣料品、ネパールにいる難民に笑顔をもたらす(駐日事務所ニュース)PDF

2月26日 根本かおる(UNHCRネパール・ダマク事務所所長)のネパール通信No.8PDF(254KB)

1月25日 根本かおる(UNHCRネパール・ダマク事務所所長)のネパール通信No.7PDF(179KB)

1月23日 安倍内閣メールマガジンに、根本かおるの寄稿が掲載されました。PDF


2006年

12月11日 根本かおる(UNHCRネパール・ダマク事務所所長)のネパール通信No.6PDF(206KB)

12月6日 根本かおるが日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2007を受賞しました。PDF

11月4日 根本かおる(UNHCRネパール・ダマク事務所所長)のネパール通信No.5PDF(183KB)

9月23日 根本かおる(UNHCRネパール・ダマク事務所所長)のネパール通信No.4PDF(206KB)

8月19日 根本かおる(UNHCRネパール・ダマク事務所所長)のネパール通信No.3PDF(223KB)

7月6日 根本かおる(UNHCRネパール・ダマク事務所所長)のネパール通信No.2PDF(301KB)

6月15日 長期化するネパールのブータン難民(ニュースレターWith you No.9/P.6)PDF(480KB)

6月5日 根本かおる(UNHCRネパール・ダマク事務所所長)のネパール通信No.1PDF(247KB)

3月8日 ネパールの難民キャンプ:性暴力の被害女性たちが生活改善に立ち上がる(駐日事務所ニュース)

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