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バロチスタン地域における個別弱者支援
「今息子は表情で私達に答えてくれます。機嫌がよければ笑うし、嫌な時は顔をしかめるんですよ!」パキスタン南西部バロチスタン州スルカブ避難村に住むファザル(Fazal)君(5才)の母親はUNHCR職員に興奮気味にこう話しました。
ファザル君は水頭症という、脳に過度の水分が滞留して生じる先天性の神経異常があります。この病気は早期診断、早期治療を行わないと、頭部が肥大し、脳が正常に機能しなくなってしまいます。UNHCRはスルカブ地区の健康調査員からファザル君の病気について報告を受け、この案件は健康、教育、能力開発面での個人支援プロジェクトの中で、最優先支援事項となりました。
ファザル君の家をUNHCR職員が最初に訪れた時、彼は暗い泥塀の部屋の小さなベッドの台に寝ていました。家に家具はなく、薄いマットが敷いてあるだけで、見渡す限り家のありとあらゆる場所がこの家族の貧困を物語っていました。とてもファザル君の治療の為に家族が費用を出すことなどできなるような状態ではありませんでした。UNHCRによりすぐに神経外科医が手配され、6月にファザル君は手術を受けました。UNHCRはその諸経費40,000ルピー(664アメリカドル)を提供しました。「ファザルが成長し、大きくなるにつれて、世話をするのが大変になっていました。UNHCRの援助がなかったら手術はできませんでした」ファザル君の母親はこう感謝しています。
しかし、ファザル君は今、頭を動かすことはできても、手助けなしに座ることはできません。手術で頭部の拡大は防げても、このままでは普通の子どものようにはならないのです。「我々は子ども達のためにベストを尽くしてはいますが、さらなる改善、さらなる検査、さらなる治療が必要なんです。でもパキスタン国内でその技術はなく、またその余裕もありません」。これがUNHCRのパキスタンの現状に関する率直な見解です。
そしてファザル君の家族の苦悩はこれで終わりではありませんでした。ファザル君が手術を受けたことで、家族は地域からの批判に直面しています。「私達家族は子どもの治療費を集めるために州都クウェッタ(Quetta)の路上で物乞いをしていると言われているんです。この言葉には傷つきます。私達はUNHCRがどうして息子のことを知ったかすら知りません。天国から降ってきた神様のお助けです。私の心の声が届いたのです。なのに・・・。」アフガニスタンのような、住民の結びつきの強い保守的な地域では、高額な費用を要するような援助が疑いの目を持って見られてしまいます。スルカブ地区に暮らすワセラ(Wassela)ちゃんという少女もUNHCRと協力関係にあるアメリカの難民援助団体から統合失調症の治療援助を受けていますが、彼女も地域から“部外者の”援助を受けているとの批難にさらされています。
このような援助課題に関して話し合い、文化的な壁がある扱いにくい援助方法について考えるために、UNHCRはバロチスタン地域で円卓会議を開きました。身体的弱者、精神的弱者、精神疾患を抱える患者、慢性病の患者、そして社会的に危険な状態にある女性など、注意深いケアを必要とし、緊急支援を要するアフガニスタン人を認定しました。UNHCRは、アフガニスタンの健康、教育、住宅、公衆衛生、技術開発活動のといった基本的なサービスの質を高めようとしています。
原文 : Supporting vulnerable Afghanistan’s in Balochistan’s refugee village
ソース : UNHCR News Stories
日付 : 2007年11月22日
日本語訳:本多明子・和田杏奈(国連UNHCR協会ボランティア)
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