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UNHCRキャンペーンが コロンビア避難民の権利について新たな見方を提起
ボゴタ北部の街角で物売りや大道芸人でにぎわう一角を若いカップルが通りすぎて行きます。男性の方は細い縞のスーツにサングラス姿で、「仕事の全情報が入っていたコンピューターを空港で失くしました」と書かれた大きなポスターを掲げており、その隣で女性は困惑気味の歩行者たちにチラシを配っています。チラシには、「避難民はまるで私達のようだ、すべてを失ったことを除けば」と書かれています。
この立派な身なりのカップルはプロの俳優です。コロンビアの国内避難民がいかに多くのものを失ったかを広く知ってもらうためのUNHCRの新しいキャンペーンに一役かっているのです。このキャンペーンは裕福なコロンビア人を対象にしたもので、例えば彼らが携帯電話や財布を失くして騒ぎ立てている間にも、日々もっと大きな損失に苦しんでいる人々が同じ国にたくさんいることに気づいてもらうことを狙いとしています。
このキャンペーンはラジオ放送、新聞広告でも行っています。ホットラインに電話をかけてきた人々は意見を述べるだけでなく、さらに情報も得ることができます。
このメッセージも新しい戦略の一部です。裕福なコロンビア人は都市部に住み、何百万人もの人々が避難せざるをえなかった内戦についてほとんど知りません。彼らの日常の関心事と避難民の問題を明確に結びつけて、避難民への共感をより引き出していきたいという意図があります。
2009年6月の時点で、300万以上もの人々がコロンビアの国内避難民として登録されており、その数はさらに増え続けています。その大多数は辺境の地方からで、直接的あるいは間接的に内戦から逃げてきており、そのうちの70%は避難する前は地主や居住者としてその土地と密接な結びつきを持っていた人々です。
コロンビアにおいて土地の登記問題は依然として深刻です。多くの農業従事者が自分たちの土地の公的所有権を失っているのです。UNHCRはEU、世界銀行、スウェーデンコーポレーション(Sweden Corporation)による土地問題プロジェクトを通じて、コロンビア当局と共に土地を失った避難民の法的保護、土地登記の促進のため動いています。
さらにこのプロジェクトは強制避難の主な理由の一つである「土地略奪」の問題にも取り組んでいます。ロバート・ミグノンUNHCRコロンビア副代表は次のように説明しました。「人々は圧力をかけられ、また身の危険を感じてしばしば土地を捨てるか非常に安く売らねばならないのです。このLand Projectは地域当局がこのような危険地域における土地売却を法的に凍結させるという策もとっています。これによって個々の土地所有者がさらされている危険はおそらく軽減されると思われます。」
避難の結果どのくらいの土地を避難民が失ったのか正確な数字は分かっていません。控えめに見積もっても、スイスの国土面積より大きい400〜600万ヘクタールの間でしょう。
避難民にとって、土地を失うことは収入を失うことです。UNHCRが2008年に行った全国調査では、回答者の大半が、物質的損失や財産権の侵害に遭った土地所有者よりも、避難民の状況をより深刻に受け止めていました。
「人々が通りで私達を見て、振り返り、私達に起こったことを気の毒だと言います。関心を持ってくれた人々に感謝をし、例え私が携帯電話を失ったとしても、多くの避難民が苦しんでいる損失のほうがはるかに大きく、よってもっと配慮されて然るべきだと説明することが私の役目なのです」とボゴタでキャンペーンを行った俳優は話しました。
ある女性は、その俳優らと話したあと明らかにショックを受けていました。彼女はこう言いました。「彼らもあなたや私と同じ人間なのね。そう思ったらあの人たちと同じ立場になって考えてみることができたわ。」
一般市民が何百万ものコロンビア避難民の状況に気づき、いかに多くのものを失ったかをより理解するようになる、このような瞬間こそが希望なのです。
原文 : UNHCR campaign offers new perspective on rights of Colombia’s displaced
ソース : UNHCR News Stories
日付 : 2009年9月7日
日本語訳: 平形聡子、真次佳織(国連UNHCR協会ボランティア)
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