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コロンビア、子ども徴兵により先住民族存亡の危機

2008年に非正規武装組織の強制徴兵に苦しんだボカデイ(Bocas de Yi)の寄宿学校に通う先住民の子どもたち ブラジルとの国境に位置するコロンビアのバウペス県(department of Vaupes)では、文化や言葉の違う27の先住民族が共に暮らしています。しかし紛争被害や強制的に避難せざるをえず、多くの先住民が存亡の危機に立たされています。

バウペス県はコロンビアの中心地から遠く離れ、5万平方キロ以上に及ぶ広大なジャングルと河川が広がっています。県都ミトゥ(Mitu)の周辺にだけ16キロの舗装道路があり、そこからコロンビアの首都ボゴタ(Bogotá)まではたった週2便のフライトがあるだけで、県外へのアクセスはバウペス川(The Rio Vaupes)を渡るしか方法はありません。

また、バウペスはコロンビアで最大規模を誇る非正規武装組織のひとつが本拠地を構える地域でもあり、コロンビア国軍が県都一帯の再管轄に努める一方、農村地域はこの武装組織の支配下に置かれています。バウペス川沿いに住む先住民のコミュニティーは、この武装組織による強制隔離や拘束の被害に遭っており、避難を余儀なくされています。

「過去2年間に発生した避難の主な原因は、非正規武装組織が先住民の子どもたちを徴兵していたことによるものです。」とミトゥの政府関係者がUNHCRに話しています。2008年には、この武装組織から子どもの身を守るため、約500世帯がふるさとを離れました。

武装組織は13歳の小さな子どもたちさえも狙っており、少年少女の両方がこの危険と隣り合わせています。スペイン語でCRIVAとして知られるこの地区の先住民協議会が特に懸念しているのは、存亡の危機にある先住民族の子どもたちが徴兵されることで、実際、人口50人に満たない先住民族Pizamiraの場合、昨年3人の子どもが徴兵されており、非常に深刻な事態に追い込まれています。

「子どもの親の多くは、武装組織から子どもを取り返したい一心で森の中まで探しに行くのですが、その願いは叶っていません。」とCRIVAの職員はUNHCRに話しました。

CRIVAによれば、2008年の年明けから非正規武装組織に連行された先住民の子どもは42人に上り、そのうち11人はボカデイ(Bocas de Yi)の寄宿学校に通う生徒でした。この寄宿学校は、バウペス川が湾曲している場所にある先住民族のコミュニティースクールで、バウペス川沿いのあらゆる地域から子どもたちを受け入れ、学習機会を提供しています。

ボカデイの住民が住む地域は外部から完全に孤立しており、生活に必要なサービス基盤も整っていません。200人余りの地元住民は、寄宿学校で学ぶ160人の子どもたちと少ない資源を共有しています。この寄宿学校には水も電気もトイレもありません。ハンモックで寝る子どもたちもいれば、床の上で寝る子どもたちもいます。

教員はこう語りました。「家が遠すぎたり、帰り道が非常に危険だったりするので、ほとんどの子どもたちは一年中ここにいます。年々状況は深刻になるばかりです。子どもたちは希望を失っており、悪の手に簡単にひっかかってしまうほど精神的に弱っています。」

武装組織による徴兵は暴力的なものばかりでなく、地元住民の話によると、彼らは子どもたちにより良い暮らしを保証するとおいしい話をもちかけ、子どもたちを「虜」にさせるのです。国際人道法では、非正規武装組織への若年層の徴兵行為は、本人の希望如何を問わず、強制徴兵であると定められています。

多くの家族は子どもを失う危険性よりも、コロンビア国内での避難生活を選びます。これまでバウペス県の人口10%にあたる、先住民約3000人が避難しています。

UNHCRは、強制避難を余儀なくされた先住民の権利に関する理解の改善のために、国内トレーニングの取り組みの一環として、バウペス県に駐留している軍部と共同で活動しています。

ロバート・ミグノン(Roberto Mignone)UNHCRコロンビア副代表はこう述べています。「コロンビアでは軍部が、危機的な状況にあるコミュニティーに最初にいる、あるいは唯一いる政府関係の機関であることが多いのです。軍部は強制避難という事態の予防と拡大阻止という課題解決の上で、非常に重要な役割を担っています。」

住み慣れた土地との文化的、社会的、経済的結びつきが深いため、強制退去は先住民にとって過酷なものであり、民族全体を絶滅させる可能性があります。コロンビアの憲法裁判所によれば、コロンビア国内に90いる民族のうち3分の1が危機的状況に置かれているのです。

原文 : Armed recruitment of children in Colombia forces indigenous off their land
ソース : UNHCR Telling the Human Story
日付 : 2009年8月12日
日本語訳: 真次佳織、平形聡子(国連UNHCR協会ボランティア)

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