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報告書で明らかになったコロンビア、プツマヨ県の人道問題
情勢が不安定とされるコロンビア南部のプツマヨ県(Putumayo department)で、強制退去が依然、大きな問題となっていることが、6つのコロンビア国内および海外のNGOがまとめた報告書で明らかとなりました。しかし、UNHCRは、この国境沿いの地域では暴力に反対する動きも続いており、望みがあるとしています。
ボゴタ(Bogotá)で発表された7月10日付の報告書は、UNHCRが国際オブザーバーとして参加したプツマヨ県への監視団の調査結果に基づくものです。
報告書は、プツマヨにおける主な人道問題として、強制退去と並んで、「様々な市民権、人権を保障する明確な仕組みの欠如、および、コミュニティー・リーダーや人権擁護者に対する迫害」を挙げています。
この地域はコロンビア内戦の中心地のひとつであり、非正規の武装組織の存在や地域の武装化が顕著にみられます。国内だけではなく、国境を越えたエクアドルへの強制退去の件数も多いため、UNHCRがコロンビアにおいて最重要視している15地域のひとつです。
報告書では、非正規武装組織に強制徴兵されることの多い子ども、先住民、暴力や性的搾取の被害にあいやすい女性が、最も弱い立場にあるとし、また、先住民か否かにかかわらず、コミュニティー・リーダーもいわれのない非難や迫害の標的になりやすいと述べています。
プツマヨ県にはもともと数部族が生活していますが、コファン族(Cofán)、シオナ族(Siona)、ナサ族(Nasa)等、多くの部族が、暴力によって、存続が危うい状態にあります。先住民にとって故郷を失うことは、共同体の中での絆や、精神的な絆の断絶につながります。
コファン族(cófan)の代表者は、報告書発表に際してこう語っています。「私たちの場合は、他の土地への退去という問題ではなく、自分自身の気持ちの中での退去なのです。我々が信仰する精霊を失うことは、私たちにとって追放されることに他ならないのです。」
しかしUNHCR高官は、希望はまだあるとしています。ロバート・ミグノンUNHCRコロンビア副代表はこう述べます。「コロンビア全土の避難民問題を光と影で表すとすれば、確かにプツマヨ県は影の部分のほうが多いでしょう。しかし、一人ひとりが発する人権を守ろうとする声や、社会のつながり、先住民の絆からは、非常に強い光が放たれています。でもこの光も、消えてしまうかもしれない。だからこそUNHCRは、彼らに寄り添い、この状況を顕現化する必要があるのです。」
また、UNHCRは、この報告書は、避難民の支援に関わる全ての人々にとって重要な情報源と位置づけています。UNHCRは、2000年にプツマヨ県で活動を開始して以来、政府の避難民保護支援策のサポートに当たっていますが、県都のモコアに現地事務所を置き、地域のほかの場所にも頻繁に足を運び、避難民や地域のコミュニティーと一緒に活動しています。
UNHCRは、監視活動や情報提供、法的支援のほかに、強制退去により最も深刻な打撃を受けている地域で、数々の実用的なプロジェクトを展開しています。例えば、遠方のコミュニティーを追われ、通学できない子どもたちのために、プツマヨ川沿いの村に寄宿学校の建設、運営を援助しています。
プツマヨ県での強制退去件数はここ数年で、コロンビア全体の平均の8倍にもなっています。コロンビア全体で登録されている強制退去件数の実に5%が、国の人口のわずか0.6%しか有しないプツマヨ県で起きているのです。
報告書の作成に協力したNGOは、MINGA(Associación para la Promoción Social Alternativa); Comisión Intereclesial de Justicia y Paz; CODHES; Coalicación contra la vinculacion de niños, niñas y jóyenes al conflicto armado en Colombia; Mesa de Trabajo Mujer y Conflicto Armado; Pastoral Social Caritas Colombia/Catholic Relief Serviceです。
原文 : Report highlights humanitarian concerns in Colombia’s Putumayo region
ソース : UNHCR News Stories
日付 : 2008年7月14日
日本語訳: 谷藤千寿(国連UNHCR協会ボランティア)
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