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ウガンダ/高嶋由美子 緊急報告

ウガンダのUNHCRリラ事務所の高嶋由美子所長が、NHK番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」(2008年5月27日放送)に出演するために、3ヶ月ぶりに一時帰国しました。ウガンダの現況と、1999年から関わってきたフィールドでの援助活動を振り返って、お話を聞きました。(2008年5月22日)

高嶋由美子 2007年末に行われたケニアの大統領選挙の混乱により、ケニアから多くの人々がウガンダに逃げ、高嶋さんがその緊急対応の陣頭指揮をとっていましたが、現在の状況はどうでしょうか?

ケニアからの難民が避難生活を送っていたムランダ(Mulanda)の一時避難センターは、2008年5月10日に閉鎖されました。ケニアへ帰りたいと希望した人たち322名はケニアに帰り、ふるさとの情勢や諸々の事情により帰還を望まない人たち2011名は、他のキャンプに移動しました。

ウガンダの内戦による国内避難民の状況はどうでしょうか?

イメージ2008年3月31日に、ウガンダ政府は、「国内に避難生活を送っている人はいなくなった」と正式に発表しました。しかし実際のところ、UNHCRが支援している国内避難民はまだおよそ6,000名います。現在、今後の希望やニーズについて聞き取り調査を行っているところです。6月末にはリラ事務所も閉鎖される予定で、私自身は7月1日から首都のカンパラにある事務所に異動します。カンパラ事務所は現在、人道援助から開発援助への移行期にあり、UNHCRは、各機関が連携して支援にあたるなかで支援の行き届いていないところはないかをモニターしながら援助活動にあたっています。例えば、帰還先の村が水不足で困っている場合には水を浄化できるようなシステムを整備しています。

ところで、高嶋さんは1999年からUNHCRの難民援助活動に関わっていますが、そもそもこの世界に入るきっかけは何だったのですか?

イメージ私は、大学院の博士課程後期で集団虐殺(Genocide)について研究していました。あるとき、自分の研究について発表する機会がありました。そこに、ルワンダの集団虐殺を生き延びた人がゲストスピーカーとして招かれていたのですが、その人の話を聞いたことがきっかけでした。実際にあった話に大きなショックを受けただけでなく、自分がさまざまな資料をもとに行っている研究では何かが足りないと強く感じました。学業としてではなく、現地に数年滞在して、もっと多角的に物事を知りたいと思ったのです。すぐに、担当教官に相談に行ったところ、ぜひ現地に行ったらいいと薦められました。学生としてよりは仕事で現地に赴くほうがいろいろなことに関われるのではと思い、まずはJPO(注)としてスーダンに派遣され、UNHCRの難民援助活動に関わるようになりました。
(注)各国の政府が給与などの諸経費を負担して国連職員を目指す人に国際機関での職務経験を提供する派遣制度

スーダンで勤務された後はどの国で勤務されたのですか?

イメージスーダンで2年、タイで1年、2002年から2年間は、アフガニスタンのカブール事務所でフィールドオフィサーとして、アフガン難民のふるさとへの帰還や定住促進のための援助活動に携わりました。その後2006年まで、ケニアのダダーブという場所にあって、主にソマリア人が避難生活を送る難民キャンプで、長期化した難民キャンプでの援助活動を経験しました。またその間、東ティモール、カンボジア、南スーダンなどの緊急援助でもミッションに参加しました。

厳しい援助活動の中で、大切にしていることは何かありますか?

第8代高等弁務官だった緒方貞子さんがかつておっしゃっていた、「熱い心とクールな頭脳を持って」ということをいつも心がけています。なぜなら、難民支援の現場では、ただ自分が努力してがんばることで満足しても意味がない。つまり、人間相手の仕事なので、結果が出ないと意味がないのです。それから、「できることは限られていても、聴くことならいくらでもできる」ということも大切にしています。人間つらいときに、誰か耳を傾けてくれる人がそばにいるというのは本当に嬉しいものですよね。つらいときに話しをすると楽になる。数々の苦難を生き抜いてきた難民も同じです。吉野源三郎の著書『君たちはどう生きるのか』も私の人生のバイブル書です。落ち込みそうなときに、この本を読み返すたびに、またがんばろうと思わせてくれるのです。

現場では緊張の連続だと思いますが、リラックスする方法は何ですか?

イメージ料理を作ることが大好きです、味は自信がありませんが!現地では限られた食材しか手に入りませんが、あり合わせの材料を前に、あれこれ考えて美味しいものを作るのが最高の楽しみです。家では、毎日自分で料理をしています。あとは、スポーツで汗を流すのもいいですね。学生時代はテニスや水球に熱中していましたが、今はスカッシュを楽しんでいます。

日本の皆さんにぜひメッセージをお願いします。

まず「興味」をもってもらえればと思います。難民だから、アフリカだからというよりは、同じ人間として難民問題に興味をもってもらえたら嬉しいです。日本にも難民はいますが、自分と違うからと区別するのではなく、自分と違うからもっと知りたいと思えたら、最初の行動に踏み出せるのではないかと思います。また、国連UNHCR協会には、支援者の皆様から現地で活動するスタッフに向けて温かいメッセージが多数寄せられていることを知り、とても励まされました。ある支援者の方は、振替用紙に「私は98歳です。私もがんばりますので、皆さんもがんばってください。」と書かれてあったとうかがい、本当に胸が熱くなりました。

インタビュー後記

UNHCRの最前線では多くの日本人職員女性が活躍しています。ばりばりのキャリアウーマンというイメージがあるかもしれませんが、高嶋さんは料理が大好きとのことで、明るく家庭的な雰囲気をお持ちです。転勤の多いUNHCRでは、数年間休職して別の環境を体験する人も多いそうです。外で責任ある仕事を任されている分、男性は頼りになるタイプが好きという高嶋さん。どこまでもチャーミングな高嶋さんでした。

ちなみに、2008年5月28日から30日、横浜市で開催されるアフリカ開発会議(TICAD IV)の親善大使を務められる女優の鶴田真由さんは、なんと高校の同級生だそうです。

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