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ウガンダ/高嶋由美子 緊急報告
ウガンダのUNHCRリラ事務所に勤務する高嶋由美子(たかしまゆみこ)所長が一時帰国した際にお話を聞きました。(2008年1月9日)
高嶋さんの勤務しているUNHCRリラ事務所では、ウガンダ北部での支援活動を行っていますが、現在の状況はいかがでしょうか。
ウガンダ北部では、20年以上にわたって、反政府勢力である「神の抵抗軍(LRA)」が住民の殺害や襲撃を行っており、多くの国内避難民が発生しています。2006年8月には、ウガンダ政府とLRAが停戦に合意し、和平交渉が始まり、状況は落ち着きつつあります。2005年には400万人が国内避難民となっていましたが、2007年は160万人にまで減少し、2008年中に80万人が、翌2009年にもさらに80万人がふるさとへ帰還すると想定しています。
国内避難民の支援活動は、どのような体制をとっているのでしょうか。
紛争や宗教・民族・政治的見解などの違いから深刻な人権侵害を受け、国境を越えて逃れた「難民」に関しては、UNHCRが中心となって支援を調整することが、国際的に確立されています。それに対して、自国内にとどまりながら避難を強いられている「国内避難民」については、これまで緊急時などでの対応にばらつきが見られ、予測がつかない点などが問題として指摘されてきました。
そこで、2006年から、国連を中心とした人道支援組織の間で、新しい試みとして「クラスターアプローチ(Cluster Approach)」という体制をとって支援活動を行っています。このクラスターアプローチとは、各国連機関や様々なNGOが援助活動の各分野を分担しながら、今まで以上に効率良く協力し合い援助を行う体制です。これは、緊急事態に対しての対応の差をなくし、すべての緊急事態に迅速に対応していこうと、国連が2005年に発表した支援体制です。各機関や団体のパートナーシップを強化することがねらいです。各分野の担当としては、例えば、食糧は世界食糧計画(WFP)、教育はユニセフ(UNICEF)が責任を負って担当しています。UNHCRは、国内避難民の権利の保護、キャンプの設置、運営や調整を担当します。この体制は、支援を行っている地域ごとに適した体制を組むことが重要です。
クラスターアプローチでは、それぞれの機関や団体が強みを生かし、連携して支援を行うことができる一方で、逆に難しい点もあるのでしょうか。
各機関や団体の調整がとても難しいです。ひとつのことに対して、それぞれの機関や団体が異なった見解を持っていたのでは、効率良い支援を行うことができません。ガイドラインを作成したり、用語の定義を定めたりすることが必要です。ウガンダでは約250のクラスターメンバーがいるので、ひとつの書類を作るにも調整のための時間と労力が非常にかかります。ミーティングが多く行なわれるので、効率よく効果的なミーティングを進めるトレーニングも必要になります。
また、クラスターアプローチの体制がとられるようになる前から、20年にわたってずっと支援活動を行っている団体もいますので、その団体といかに連携して支援活動を行えるかということも大切です。現地の状況を調査することがとても重要です。クラスターアプローチでは、各機関や団体が一緒に働いていける環境作りをしていく必要があります。まだ始まったばかりなので、改善点はあるかと思いますが、今後、より良い援助活動が展開できるようになればと思って頑張っています。
2008年には80万人の帰還が見込まれているとのことですが、UNHCRが果たす役割はどのようなものになりますか。
「ふるさとへ帰りたい」という国内避難民の方々の声を大切にしながら、UNHCRは支援活動を行っています。国内避難民の帰還の方法としては、三つの方法があります。ひとつ目は、もともと住んでいた村へ帰ること。二つ目は、避難先のキャンプが村となり、そのまま住み続けること。三つ目は、国内のどこか別の場所に居住地を見つけることです。帰還したらそれで終わりではなく、元・国内避難民ということで、不当な差別を受けていないかをモニタリングすることもUNHCRの重要な活動のひとつです。多くの国内避難民がふるさとへ帰った後のキャンプ跡地を、農地や商業地など、もとあった状態に戻すことも忘れてはいけません。援助を受けるだけではなく、自立していけるように、人材の育成も必要です。
国内避難民の方々を支援していて、どんなことを感じますか。
リラ事務所では「職員は週3回はキャンプへ赴き、国内避難民の方々の声を聞こう」というルールを決めています。彼らに会って感じることは、このような状況にありながらも懸命に生きるエネルギーの強さです。頭の上に重たい水がめを乗せて3キロも4キロも歩き、その水で体を洗い、食器を洗うなど生活のすべてをまかない、穀物にも与えるわけです。蛇口をひねれば安全な水が出てくる生活からは想像がつきません。また、「家に帰りたい」という言葉もよく耳にします。キャンプでの生活はプライバシーがなく、家族の絆も弱くなりがちです。多くの国内避難民が、早く安心してふるさとで暮らせるよう、UNHCRは引き続き支援を行っていきます。
日本の支援者の皆様にメッセージをお願いします。
残念なことに、20年にわたるウガンダのこのような状況は、なかなかメディアに取り上げられず、多くの方に知られていません。日本の皆様には、どうぞ世界に目を向けていただき、ウガンダの状況を知っていただきたいと思います。個人の皆様をはじめ、最近ではユニクロのような企業によるご支援も届いています。引き続きの温かいご支援をよろしくお願いいたします。








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