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吉田典古 インタビュー
2008年6月から南部スーダンに赴任している吉田典古UNHCRジュバ事務所長(スーダン事務所副代表兼務)に一時帰国中の2009年7月31日、東京で現地の様子を聞きました。
南部スーダンでは、2005年の和平合意によって暫定的な自治権を獲得し、2010年には、北部スーダンと統一するか、分離独立するかの住民投票が行われる予定です。
広大な国土にインフラがない
スーダンの国土は日本の7倍で、南部だけでも日本の2倍もあります。しかし、20年以上も戦争をしていたため、南部スーダンではインフラがまったく整っていません。周辺国からの難民帰還を進め、30万人を超える帰還民の生活再建を後押しするためには、様々なインフラを整える必要があるのですが、雨季にあたる6月から12月まではアクセスが非常に難しくなり、仕事がはかどりません。そこで、最初の半年にどれだけ援助活動ができるかが重要な鍵となります。
日本からの支援で学校建設
この南部スーダンでの援助活動にはなかなか必要な資金が集まりません。そんな中で、主に日本政府からの支援を得て、教師を養成する学校を2校、サテライト小学校を5校建てる計画を進めています。サテライト小学校のひとつであるソンバ(Somba)小学校の建設には、日本の皆様から国連UNHCR協会を通して寄せられたご寄付を充てさせていただき、日本のNGOであるJENがその建設を担当しています。2010年に建設が終わったら、生徒約300名が勉強できるようになるでしょう。
低い識字率
実は、小学校に5年通える子どもの統計を見ると、ダルフール地方では93%に達しているにも関わらず、南部スーダンでは全体の50%以下となっています。また、130万人が小学校に就学しても、そのうち1.9%しか卒業しません。今は、生徒1000人に対して教師1人しかいないという状況ですが、日本からの支援を得て進めているこの学校建設事業によって、就学できる子どもが増えることを期待しています。
チャレンジが続く日々
UNHCRでは、これまでもアフガニスタンなど難しい現場を任されてきましたが、ここ南部スーダンは自分にとって新たな挑戦の日々です。周辺国からの難民帰還と再定住への対応だけでなく、LRA(注)の攻撃を逃れてコンゴ民主共和国から難民が入ってくる状況への対応も迫られます。広い国土にある8カ所の事務所で働く約200人のスタッフを束ねていく難しさも日々感じています。任期は2年間なので、あと1年続くこのチャレンジの日々を乗り切って行きたいと思っています。
(注)ウガンダの武装勢力「神の抵抗軍」(the Lord’s Resistance Army)の略称
UNHCRを職場として
私は受験勉強が嫌でたまらなかった高校生の頃に、勉強したくてもできないタイのカンボジア難民の子どもたちについて知り、UNHCRで働いてみたいと思うようになりました。職員となって、結局は自分にできることはほんの少しでしかないのですが、UNHCRが人々の役に立っている現場を見ると、この仕事にやりがいを感じます。日本に住んでいると、難民とは遠い世界の、自分とは縁のない人々に思えるかもしれませんが、実は自分ともつながっていることに気づいてほしいと思います。そして、私たちが難民の人々から学ぶことがたくさんあるのです。
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