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ソマリアの避難民女性たち、レイプの恐怖を語る
ソマリアのモガディシュからのバスがガルカヨに到着したとき、乗客は一様に安堵の表情を浮かべました。しかしながら、道中では銃を突きつけて乗客から物を盗む民兵が多く、5人の女性がレイプの被害を受けてしまいました。
女性たちはかつてソマリア北東部プントランド州で2番目に大きな都市であるガルカヨの、国内避難民を保護する地域に住んでいました。1990年より頻発する内戦のために、ガルカヨ周辺では避難民が増加しています。ガルカヨは比較的安定しているので周辺地域から人々が集まってきますが、国内避難民が住むエリアは、残念ながら性暴力は日常的に起こることなのです。
長年にわたる紛争の後のソマリアには民兵が多く、女性たちは普通に道路を歩くだけでも彼らの性暴力の対象となる危険性があるため、恐怖とともに暮らしています。女性たちはガルカヨのような都市であっても、そのはずれにある国内避難民の居住地区は孤立しているため、危険にさらされています。
33歳のヒボ(仮名)さんが住む国内避難民の居住地区では、近くに小さな派出所が作られてから危険度合いは少し改善されたものの、それでも毎晩のように3人の女性が被害に遭っていると言います。「ある晩、突然武器を持った暴漢がやって来て、私の妹を外に引きずり出そうと殴り始めました。私が大声で叫んだので隣人達が気づき、銃を持った男達は逃げました」と彼女はUNHCRの職員に語りました。
守ってくれる男性がいない未亡人であることや、鍵のかかる頑丈なドアがないことで、彼女はレイプ犯の格好の標的になってしまったのです。彼女が話している時、同じ居住地区に住んでいる十代の若者が大きな棒を持って誇らしげにジェスチャーをしました。「女性が叫んでいるのを聞いたら、ぼくはその悪い男たちを追い払うために、この棒を持って友達とすぐに駆けつけるよ」。そうは言っても、彼の棒はAK-47自動小銃には到底かなわないのです。
ヒボは警察に何の助けも期待していません。「警察は何もできません。それに私が警察に訴えれば、犯人は復讐するかもしれません」と彼女は言いました。
町の反対側では、45歳のハワ(仮名)さんが早朝に肉屋の仕事への出勤途中に性暴力の被害に遭ってしまいました。彼女は警察に訴える代わりに、地元の女性の支援を行っているNGOに向かいました。彼女は少数部族に属しているため、警察が有力な多数部族出身のレイプ犯に不利になるような対応はしないだろう、つまり自分を助けてはくれないだろうと考えたからです。
「その男は私の喉もとにナイフを突きつけ、抵抗するなと脅しました。彼は私をレイプした後、財布を盗みました。それからつばを吐きかけ、侮辱したのです」と彼女はUNHCRに語りました。彼女は通りかかった人により病院に運ばれました。「私の身体はだけではなく心も傷ついて、もう恐くて職場まで歩いて行けません」。彼女をレイプした男は、翌日には彼女の家に入って来ようとしましたが、近所の人たちが近くにいたので、すぐに逃げていきました。「わたしには9人の子どもがいますが、夫はいません。今は働くことが出来なくなったので、このNGOが私を助けてくれるのではと期待してやってきました」と彼女は言いました。
NGOの女性職員がそっとハワさんの手をとり、資金不足のため、彼女にできることはあまりないのだと説明しました。「私にできるのは、レイプされた女性たちの気分が少しでも良くなるように慰め、苦しい経験を話すように彼女らを励ますことだけです」。彼女はそう話した後、レイプはソマリア社会ではいまだに強いタブーであると強調しました。「レイプされた若い女性は結婚することができません。その一方で、結婚している女性は、様々な理由から夫に追い出されてしまうこともあります」と彼女は説明しました。
ひどく傷ついた女性は女性クリニックに送られます。看護士によれば、横行するレイプは1990年に中央政府が崩壊して以来、ソマリアに巣食っている病だといいます。多くの犠牲者は凶器で傷つけられるため、しばしば輸血が必要となります。「我々は彼女達をとにかく励まします。というのは、彼女達が自殺しないようにするためです。でも時々、真実がわかるのは遅すぎる時があります」と看護士は話します。「我々はある一般的な妊婦を世話しました。ところが、出産するとすぐに彼女は赤ちゃんを殺してしまいました。ここで初めて、彼女がレイプされたのだということが分かったのです。」
「レイプがタブーである社会にも関わらず、加害者はめったに処罰されません。事件はたいてい伝統的な方法で扱われます。つまり、襲った者が、被害者の女性ではなくその父親や夫に示談金を払うのです。レイプされた女性達はここに来る時、まるで自分が既に死んでしまっているかのように、肩身が狭そうにやってきます」と看護士は説明します。
性暴力の被害に遭った人々が確実に援助を受けられるよう、UNHCR、UNFPA(国連人口基金)、UNICEF(国連児童基金)を含む国連機関が性的な暴力の防止と対応計画を開始しました。これにより、医療機関や市民団体のような地元のパートナーと共に、医療設備の強化や、精神・社会カウンセラーの育成、ガルカヨにおける性的暴力についての意識の向上が期待されています。とりわけ、最初の段階で性的暴力が起こらないようにするために、意識の向上に関しては特に強化されています。この計画は、性暴力を終わらせようと献身的に力を注いでいる地元のNGOを中心にして行われる予定です。
ガルカヨには現在、およそ5万人の国内避難民がいます。
原文 : Displaced women tell tales of rape and fear in Somalia
ソース : UNHCR News Stories
日付 : 2007年10月25日
日本語訳 : 園田あや、安田万里(日本UNHCR協会ボランティア)





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