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ケニア(ソマリア難民)/根本かおる 緊急報告(2009年3月25日)
ケニアのダダーブ難民キャンプに滞在中の国連UNHCR協会 事務局長 根本かおるから届いた、現地からの緊急報告です。
竜巻で砂が巻き上がるのがあちらこちらに見える、半砂漠地帯のダダーブ。日中は40度を超える酷暑。木陰もほとんどなく、これでもかというように容赦なく太陽が照りつけます。3月22日からダダーブに来ていますが、一日が終わると、暑さとほこりとで、へとへとで、水のありがたさが身に沁みます。
このダダーブ周辺の3つの難民キャンプに、3月13日現在で26万人の人々が暮らし、その数は毎日増え続けています。もともと収容能力が9万人しかないところに、3倍近くの人々が身を寄せ、その97%がソマリアからの人々です。キャンプ人口は2008年初めに比べるとおよそ50%の増加。2009年初めに対しても、既におよそ10%増えています。そう、ソマリアの内戦の激化で、月に数千人単位でソマリアからケニアのダダーブの難民キャンプに人が避難してくるのです。今年に入ってからだけでも、新たに2万人の人々が逃げてきました。
「モガディシュの銃撃戦で夫が亡くなり、身重の体で子ども二人を連れてケニアに逃げてきました」「モガディシュでの衝突がひどくなって、近所の人たちはロケット砲を受けて大勢死にました。逃げるときも、死体をたくさん目にしました」 - 出会う人、出会う人、ソマリア内戦を象徴する、想像を絶するような逃避行の経験を語ります。
3月23日、難民登録センターに行ってみました。センターが始まる1時間前の午前8時、周囲からぞくぞくと人がUNHCRとケニア政府の登録センターの前に集まってきます。優に1000人を超える人々が登録の開始を今か今かと待っています。我先にという緊張感が張り詰め、ピリピリ、イライラとした空気が支配しています。
この登録センターには23人のスタッフが配置され、一日500人程度の登録作業を行うことができます。その日に登録してもらえない人には、後日来るようにとの予約票が渡されます。登録センターの敷地内に入ると、子どもの予防接種を経て、登録センターの中に誘導されます。センターの中は、外の緊張感と混乱とは打って変わって、作業が粛々と行われていました。まず、UNHCRの登録スタッフが家族ごとに聞き取り調査から得られた基礎データ、顔写真、そして指紋をコンピューターで採取して入力し、今度は別室でケニア政府がインクで指紋を採取。さらに食糧配給カードが配られます。
そして最後に、土地の割り当てを待つ人々のリスト。そう、難民として正式に登録されて、食糧配給カードがもらえても、収容能力をはるかに超えたダダーブのキャンプでは、昨年の8月ごろから新たに登録された難民たちに割り当てる土地がありません。UNHCRでは、親戚や知人のところに身を寄せるように難民たちに異例のお願いをしているのです。
3月22日に出会った女性は、キャンプの病院で生まれた生後10日の女の赤ちゃんを抱いていました。「今年2月に難民キャンプにたどり着き、難民登録も食糧配給カードももらいました。でも、私には住む場所がありません。知り合いを頼って、転々としています」。
ダダーブ周辺の3つの難民キャンプのひとつ、イフォ・キャンプ。このキャンプのへりに、UNHCRマークのテントが密集して並ぶ地区があります。昨年、ソマリアから人が大量に避難し始めたころにつくったものですが、UNHCRでは、昨年秋以降、こうしたテントを建てる場所もないのです。テントの横には、棒切れとぼろを継ぎ合わせて作った小さなテントが作られ、親戚を頼って避難してきた人々が身を寄せています。「いつになったら自分の住む場所がもらえるのか」 - イフォ・キャンプに足を踏み入れた瞬間、答えのない質問が矢継ぎ早に浴びせかけられました。
「ケニア政府からの土地が提供されて、新しいキャンプができるまで、とりあえず親戚縁者、知り合いを頼って、身を寄せてもらうようにお願いしています。でも、みんな生きるのに必死です。近しい家族でなければ、すぐにお荷物になって、追い出されてしまうでしょう。私たちは基本的な保護もできていません。まさに異例の事態です」と語るのはUNHCRダダーブ事務所のアンディ・ニーダム対外調整担当官。水、トイレなどの衛生設備なども、これだけの人口密集でなかなか行き渡らず、これが人々の苛立ちを増しています。
9万人の収容能力しかないところに、現在およそ3倍の26万人が暮らす - 混雑の緩和のためにUNHCRは二つのキャンプを増設する計画で、ケニア政府に対して土地の提供を強く要請しています。
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