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HOME > UNHCRの援助活動 > 松下千津 緊急報告

ケニア(ケニア国内避難民)/松下千津 緊急報告

ケニアでは2007年末に行われた大統領選挙後の混乱が続いています。暴動や治安部隊との衝突で犠牲者が出るとともに、25万人以上の人々が国内避難民となっています。ウガンダに逃れた難民の数はさらに増えて1万2000人に達し、UNHCRは緊急援助活動に追われています。

ケニアのエルドレット(Eldoret)でUNHCR緊急対応チームの保護担当官として支援にあたる松下千津(まつしたちづ)が、ふるさとを追われ、悲嘆に暮れる国内避難民となった人々の声や、現場でのニーズなどを緊急報告します。

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「村が攻撃されている。まわりから火の手が上がっている。キャンプの中にも入ってくるかもしれない。」
夜中の2時。民族の違いなどを理由に住んでいた村を追われ、UNHCRがケニア国内に一時的に設置したキャンプで避難生活を強いられている男性が、UNHCR職員の携帯電話に連絡してきました。幸いにもこの夜は何事も起こりませんでしたが、現在ケニア国内に300以上あるといわれる国内避難民のキャンプでは、迫害によってふるさとから逃れなければならなかった人々が、こうして夜毎脅え、緊張して暮らしているのが実情です。2007年末から2008年2月現在に至るまでほぼ毎日、ケニアのどこかで暴動が起き、人が殺され、家畜や家財道具が強奪され、家に火をつけられ、新たな国内避難民が次々に発生しています。殺されずに、ずっと暮らしてきた家と村から出て行く猶予と荷物を持って出る時間のあった人はむしろ幸運で、多くの人は着の身着のままでキャンプにたどり着いています。

9人の小さな子供を抱え未亡人となってしまったある女性は、夫が目の前で生き埋めにされた様子を放心した目で語りました。また別のキャンプでは、16、17歳の女の子2人が、ついこの間まで通っていた高校に戻って友達と勉強できない悲しさを話し、どうにかしてほしい、と涙ながらに訴えました。多くの人々は、「もう二度と戻ってくるな。キバキ(大統領)のいるところへ行ってしまえ。お前の先祖のいたところへ帰れ。()」などと言われて村を追われ、近隣の教会、行政官の事務所、農業用品を展覧するスタジアムなどに集まって暮らしています。このように、自分の国にいながら国内避難民となってしまった人たちは、本当に一夜にしてそれまでの生活が破壊され、突然に厳しいキャンプでの生活を強いられ、そしてこれから一体どうしたらよいのか途方に暮れています。

UNHCRは、ケニアの首都ナイロビ、そして西部のリフト・ヴァレー(Rift Valley)地域にエルドレット(Eldoret)、ナクル(Nakuru)二箇所に拠点を置いて国内避難民への緊急対応にあたっています。エルドレットでは、4人の職員が地域に広がる大小さまざまなキャンプを日々訪れ、国内避難民となってしまった人々と話をし、ニーズをたずねては他の機関との調整をしながら対応しています。幸い、「ケニア赤十字社」という非常に機動性・対応能力の高い機関がリードを執って支援を行っています。UNHCRは、「国内避難民の保護」、「キャンプの運営と調整」、そして「緊急用の仮設住居(及び食糧以外の援助アイテム)」の分野で、多くの援助関係団体を取りまとめる役割を果たすべく、ケニア赤十字社と協力し、専門的・技術的アドバイスをしながら活動しています。

国内避難民となってしまった人々への中には、住んだこともない「先祖がいた場所」を求めて移動したり、親戚のいる土地へ移ったりと、暴力を逃れひとつのキャンプから別のキャンプ、別の地域へと動いている人もたくさんいます。その「人の流れ」の情報を集めることもUNHCRの仕事です。一方、まったく行き先のない人々、すべての財産が焼かれたり強奪されたりした人々は、今避難しているキャンプにしばらくは留まることになるでしょう。また、国内避難民となった人々を受け入れている地域のコミュニティーの負担軽減や、自分の家に留まりながらも、国内避難民と同じように暴力や被害を被った人々たちへの支援もこれからさらに必要になると思われます。
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ケニア国内で、民族の違いなどを理由に暴動や衝突が起きるような出来事は、過去に何度か繰り返されていることですが、現在ほどのすさまじい暴力行為と大規模な人権侵害が、これほどの規模でほぼ公然と行われたことはありませんでした。首都ナイロビでは、政治的な和解への取り組みが進んでいます。しかし、それがどれほどの影響を今回の民族対立の解決に及ぼすことが出来るのか、それが明らかになるまでにまだまだ時間が必要だと思われています。また、選挙後の混乱が始まって1ヵ月以上になりますが、この間の暴力行為が破壊したケニア経済の回復には何年もかかるといわれています。

一方、明るいニュースもあります。市民社会グループが、和解と共生に向けた民族間の対話、暴力を非難した平和モニュメントの建設などを計画しています。ケニアが平和を取り戻し、二度と今回のような混乱を招くことのないように、民族による不公平感を人々が感じなくて済むような社会になるよう、様々なレベルでの長期的な支援と国際社会の見守りが必要です。

2007年末に行われたケニア大統領選挙では、キクユ系のキバキ大統領が当選。この影響などを受け民族衝突へと発展し、暴動や治安部隊との衝突が起きており、犠牲者が出るとともに、住んでいた村を追われ別の地域での避難生活を強いられたり、人々が国外に難民として逃れたりしている状況が続いています。

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緊急事態であるケニア国内避難民への支援活動に、皆さまからの温かいご支援をお願いいたします。

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