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使命をもったウィニペグの難民ラッパー

ウィニペグの公民館で自身の半生について語るHot Doggことサミュエル・ミジョクf・ラング「僕は音楽で有名になりたいわけじゃない。ただ世界の若者たちを救いたいだけなんだ。」元難民であり、Hot Doggとしてヒップホップ界で知られ、西カナダへの玄関口となるここウィニペグで多くのファンがいるサミュエル・ミジョク・ラング(Samuel Mijok Lang)は語りました。彼のデビューアルバム『ロスト・イン・ウォー』は彼の名前を一躍有名にしました。

21歳のラングさんは、南スーダンの内戦によりふるさとを離れ、家族から引き離された辛い過去の体験と、いわゆる「ロスト・ボーイ」と呼ばれる戦争孤児として生き抜いてきた自身の半生から、音楽のインスピレーションを得ています。彼はUNHCRの援助により2001年に北アメリカに渡ってきた約4000人のロスト・ボーイのうちの1人です。ラングさんはカナダで中等教育を修了し、若者のリーダーとして、またワークショップでのファシリテーターとして活躍。恵まれない若者に、自身の北アメリカへの移住とその後の成功について語ります。2008年初頭には、ウィニペグの若者に対する活動を称えられ市から表彰を受けました。「僕の夢は若者に夢を与えることなんだ。あらゆることが可能ということを皆に伝えたい。僕は戦争で孤児となり、ジャングルの中に捨てられた。でも今僕は新しい人生を生きている。」

彼の音楽は、個人の体験と文化・民族間の交流、また自身の北アメリカ社会への同化をテーマにしています。全12曲のアルバム『ロスト・イン・ウォー』は激しいビートと鋭い歌詞に乗せて、平和と統一、希望と教育を訴えかけます。1曲目の『ロスト・ボーイ』では、スーダンからウィニペグに向けて出発した際の、200人のロスト・ボーイの劇的な脱出を歌っています。4月にはダルフールへの関心を高めるために、ウィニペグでコンサートを開きました。現在はアメリカツアーを行い、紛争の被害にあっている子どもたちのために支援資金を集めています。またラングさんは映画の世界にも活動を広げ、他のロスト・ボーイたちとドキュメンタリー映画の撮影に取り組んでいます。紛争で荒廃するダルフール地方と同様に、平和が安定しないスーダン南部の青少年をこの映画で助けようとしています。

しかしラングさんには、どうしても成し遂げたい個人的な願いもあります。自分の母親を見つけるためにアフリカに戻りたいのです。彼はスーダンから避難した時を境に、数年母親に会っていません。「母はまだ(ケニア北東の)カクマ難民キャンプにいると聞きました。現在、視力を失いつつあるそうです。どうしても会いに行きたい」と語りました。「母がカクマ難民キャンプでまだ苦しんでいると知りながら、カナダでの生活を楽しむことはできない」と悲しみのこもった声で彼は付け加えました。母親との再会は、自分のルーツを忘れないことをモットーとしているラングさんの心の傷をきっと癒してくれるでしょう。

原文 : Winnipeg’s refugee rapper with a mission
ソース : UNHCR News Stories
日付 : 2008年7月14日
日本語訳 : 依光映子・高山くみ子(国連UNHCR協会ボランティア)

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