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スーダン・ダルフール地方およびチャド共和国/ 佐藤友美枝 緊急報告
2003年以来、最悪規模の人道危機が続くスーダン西部のダルフール危機。スーダン・ダルフール地方で支援活動にあたるUNHCRモルネイ事務所の佐藤友美枝アソシエイト・フィールド・オフィサーが一時帰国した際にお話を聞きました。
西ダルフールの最近の様子
モルネイは西ダルフールで一番大きな国内避難民キャンプがあり、モルネイ事務所ではそのキャンプに暮らす約7万5000人の国内避難民への支援活動を行っています。また、国内避難民に加え、ダルフールに2つあるチャド難民のための難民キャンプのうち、約6000人の難民が生活するウンシャライヤ難民キャンプの管理も行っています。
ダルフールでは治安の悪化が続いています。モルネイ事務所だけでも、昨年は武装集団に銃を突きつけられ車が奪われるという事件が2度起こりました。スーダンとチャドとの国境付近の治安も悪化し、昨年前半はチャドからの難民が急増し、モルネイ事務所はその対応に追われました。
ダルフール地方では、6月から10月の初めまでが雨期となり、この時期の激しい雨はまるで川のように平地を覆い、道路が遮断され、人々の移動が不可能となります。そのため、雨期が始まってからは人の移動もなくなりました。雨期が終わった現在も今のところ大きな人の移動は起きていません。
難民が急増した昨年は、必要な生活支援物資の配給など難民の受け入れ業務に追われましたが、難民の受け入れが一段落した現在、課題となっているのは、国内避難民への対応です。モルネイでは、UNHCRの他、WFPと3つのNGOが活動しています。5団体しかいないので、常に協力し合いながら支援活動を行っています。これまでもUNHCRは各機関とのコーディネーション業務に携わってきましたが、今後は主な役割を担うリードエージェンシーとして他の機関と調整しながら、より積極的に国内避難民キャンプのマネージメントを行っていく予定です。
「援助する側とされる側」ではなく「私とあなた」の関係
私がモルネイ事務所に着任した当初は、事務所自体がなく、WFPに間借りし、WFPの敷地内にある小さなコンテナを事務所として使用していました。もちろん事務所として必要な設備も整っておらず、唯一の通信手段である衛星電話のつながりも悪く、同じく衛星回線を使用するインターネットも使えないことが度々ありました。現在は、事務所とインターナショナルスタッフが生活するゲストハウスも完成し、職場と生活の環境は著しく改善されました。治安が悪いので外出するにも制限があり、プライベートでは読書や料理、家庭菜園が一番リラックスできる時間です。 そんな生活の中で、何にも変えがたい充実感を味わうことができるのが、難民や国内避難民の人々との交流です。
私はこれまで主に難民キャンプの管理に携わってきましたが、その中でも、特に特別なニーズを持つ難民への個別のサポートを担当することが多く、病気の難民を大きな町の病院に移送する手配や、障害や慢性的な病気を持つ難民への支援などを行ってきました。そのため、難民ひとりひとりと話をする機会が多くありました。先ほどもお話したように、武装集団の襲撃のため1ヶ月以上難民キャンプに行くことができない時期があったのですが、ようやく難民キャンプに行くことができた時、私の姿を見て、顔見知りの難民たちが駆け寄ってきて、「また会えて良かった」「心配していたよ、大丈夫だった?」と口々に言葉をかけてくれたことがありました。
それまでは職務に追われ、どうしても「難民」とひとまとめに見てしまい、「UNHCRと難民」という関係になってしまっていましたが、「私とあなた」という関係でひとりひとりの難民を見ていくことも大切だということに気づかされました。
それからは、なるべくキャンプ内を歩き、より多くの難民に声をかけるようにしています。小規模のキャンプだからこそ、難民ひとりひとりの声を直接きいて、対応していくことができるのではないかと考えています。日本で社会福祉の仕事をしていたことがあるのですが、その経験が活きているのかもしれません。
最後に、日本の皆さんへ
国連UNHCR協会を通じて力強いご支援をお寄せいただき、本当にありがとうございます。
一般的に、欧米諸国に比べ、日本でのダルフールへの関心がなかなか高まらないことを残念に思っています。確かにアフリカは日本から遠く、さらに難民問題というと、環境問題などに比べ、身近に感じにくいのかもしれません。しかし、国際社会から忘れられていないということが、常に危険と隣り合わせの不安を抱える難民、国内避難民の人々にとっては大きな希望となります。
またスーダンでは、日本政府から多くの支援を受けており、ウンシャライヤ難民キャンプもその支援により運営されているので、もっと皆さんに関心を持ってもらえればと願っています。
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