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アフリカ地域/スーダン・ダルフール地方およびチャド共和国

「最悪の人道危機」−ダルフール

スーダン・ダルフール地方地図2003年から続くダルフールの人道危機に対し、国際社会は、武装勢力とスーダン政府の和平交渉を後押しし、アフリカ連合軍は治安維持活動を続けてきました。このような努力にもかかわらず、村の襲撃・略奪事件は後を絶たず、治安は一向に回復していません。民兵の襲撃により殺害された人の数は数十万人に上ると言われています。2008年2月には、民兵の支援を受けたスーダン政府軍がダルフール地方において大規模な攻撃を開始しました。このため、1万2千人にも上る人々がダルフールからチャドへの避難を強いられました。同月、チャドとの国境付近の西ダルフール地方において空爆が行われたため、UNHCR職員は一時的な撤退を余儀なくされました。

劣悪な治安の中、UNHCR職員は、時には自分たちの身に危険を感じながら、隣国チャドに避難したスーダン難民や、スーダン領土内で避難している国内避難民を保護し、支援を続けています。ダルフールのUNHCR事務所で保護官として働く日本人職員の帯刀豊は、地元の政府関係者や治安維持部隊との協力してキャンプの治安を強化する地道な努力を続けています。「こうした活動の成果はすぐには目に見えづらいものですが、しかし、UNHCRには世界中でそれをやり遂げてきた経験と自負があります。今が我慢のしどころです」と語っています。

ナビ UNHCRスーダン・ザレンジ事務所保護官 帯刀豊 インタビュー

ナビ UNHCRモルネイ事務所アソシエイト・フィールド・オフィサー 佐藤友美枝 緊急報告

厳しい避難生活

UNHCR職員と家族に支えられて難民キャンプに到着した高齢の女性ダルフールから国境を越えてチャドに逃れてきた人たちが最初にたどり着くのは、水の乏しい砂漠の辺境地です。そこでは、アラブ系民兵が国境を越えて襲ってくる危険性が高いので、より安全な場所へ移動する必要があります。UNHCRは、資源の乏しい荒野にテントを張り、トイレや学校、診療所を建設し、国境沿いで保護した難民を移送しました。現在は、12のキャンプに約24万人が暮らしています。

隣国チャドでも治安が悪化

また、2006年以降は隣国チャドでもスーダンから越境してきた武装グループによる攻撃が増し、スーダン難民キャンプ周辺の治安が急速に悪化しています。2006年11月には、チャド東部の町アベシェにあるUNHCRの備蓄倉庫が襲撃され、援助物資の8割(1億2千万円相当)が略奪される事件もありました。自然環境が厳しいチャド東部のスーダン難民キャンプチャドに避難していたスーダン難民約1万5千人がダルフールに戻りましたが、これはダルフールの状況が改善されたからではなく、チャド側の治安までもが悪化したからです。

2008年1月には、チャドの首都、ンジャメナにおいて政府軍と反政府軍による戦闘が勃発し、またチャド東部の町、グエレダ(Guereda)ではUNHCRの職員とパートナー機関が攻撃の対象とされたため、UNHCR職員がンジャメナとグエレダからの避難を余儀なくされました。チャド東部の難民キャンプでは、危険と隣りあわせでダルフール難民への支援活動が続けられています。

性的虐待を受けた女性たち

治安の悪化に伴い、レイプなどの性的犯罪の犠牲となる女性が後を絶ちません。毛布などの援助物資を受け取ったスーダン難民の男の子UNHCRは性的虐待を受けた女性や寡婦となった女性などを支援するため、チャドとスーダン・ダルフール地方に女性センターを32ヶ所設置し、カウンセリングなどを実施しています。すでに8万人以上の難民女性がこれらのセンターを訪れました。識字教育や健康相談、ミシンを使った裁縫や絨毯作りなどの職業訓練を提供しています。


ナビ UNHCRの援助活動「女性」コーナー

難民キャンプで育つ子どもたち

民兵に村を焼き払われて木陰に身を寄せるダルフールの国内避難民スーダン難民の子どもとチャドの子どもは、どちらも破れた服を来ていて、一見同じように見えます。でも、スーダン難民の子どもたちが話すことは辛く怖い体験ばかりです。武器による攻撃にさらされること、夜テントをたたく風におびえること。難民の子どもたちは皆、「ダルフールのおうちに帰りたい。自分の家を見たいし、友達に会いたい」と言います。子どもたちは、キャンプに逃げてきた初めの頃は自分の殻にとじこもりがちですが、しだいに落ち着きを取り戻し、明るくなって行きます。その変化は、歌や絵に表れて来ます。チャド東部の難民キャンプでは、数百人もの子どもたちが親と離れ離れとなり、親戚などと暮らしています。UNHCRは、子どもに対する差別や暴力、女子の性器切除や早婚、強制的結婚といった害のある慣習をなくそうと努めています。また、水汲み、薪集め、幼い子どもの世話といった家事に時間を取られてしまう子どもたちが学校教育を受けられるように応援しています。難民キャンプの生活は厳しいものですが、子どもたちの多くは、教師や歌手や医者になりたいと思っています。「しっかり勉強して先生になる。そして、ダルフールに帰る。平和になったら…」難民の少女の言葉です。

UNHCRは主に西ダルフール地方で支援活動を行っていましたが、2008年は活動範囲を北ダルフール地方と南ダルフール地方にまでに広げ、また保護活動や難民キャンプ運営を強化させることを計画しています。2008年4月には、年間で4030万USドル(約41億円)の支援を呼びかけるアピールを出しました。この援助対象者はダルフール地方で避難生活を強いられる250万人にものぼる国内避難民や帰還民、またチャドや中央アフリカ共和国の内戦からダルフール地方に逃れた4万7500人の難民となっています。

チャドに逃れたスーダン難民とダルフールの国内避難民のために、皆様の温かいご支援をお願いします。

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<スーダン・ダルフール地方およびチャド共和国 最新ニュース>

2008年

12月16日 スーダン難民、第三国定住のためイラクを発つ (UNHCR本部ニュース・翻訳)

6月17日 世界難民の日:ロンドン・トラファルガー広場でダルフールを体験(UNHCR本部ニュース・翻訳)

4月13日 スーダン難民5,400人をチャドの難民キャンプへ移送(UNHCR本部ニュース・翻訳)

3月19日 UNHCR、1300人以上の難民をチャド国境からキャンプへ移送(駐日事務所ニュース)

3月12日 UNHCR、脆弱な立場にあるスーダン難民をチャド内のキャンプに移送(駐日事務所ニュース)

2月27日 西ダルフールに新たな避難民のための場所を開設(駐日事務所ニュース)

2月27日 UNHCR、関連機関が実施する攻撃されたダルフールの現場への視察に参加(駐日事務所ニュース)

2月21日 ダルフールでの空爆を受けて、UNHCRはチャド国境周辺から職員を避難(駐日事務所ニュース)

2月21日 チャド東部において、武装組織が新たに到着する難民の移動を妨害(駐日事務所ニュース)

2月11日 数千人の難民がダルフールから避難、チャドに保護を求める(UNHCR本部ニュース・翻訳)

2月8日 隣国カメルーンから帰還する者がいる一方、多くは避難を続けるチャド人(駐日事務所ニュース)

2月7日 2万人近くの難民がカメルーン国境の町に避難(駐日事務所ニュース)

2月1日 チャド東部で襲撃、多くのUNHCR職員が退避(駐日事務所ニュース)

2007年

12月4日 中央アフリカ国会が難民法を可決(UNHCR本部ニュース・翻訳)

11月9日 ジョンストン副高等弁務官、スーダン・ダルフールを訪問(UNHCR本部ニュース・翻訳)

7月10日 中央アフリカ共和国に暮らす難民に生活改善の兆し(UNHCR本部ニュース・翻訳)

6月18日 中央アフリカ共和国に新たなスーダン難民:急務となる支援物資配給(駐日事務所ニュース)

5月2日 グテーレス国連難民高等弁務官、西ダルフールで故郷から逃れた人々や地方政府当局者と面会(駐日事務所ニュース)

3月2日 アンジェリーナ・ジョリー、ダルフール難民の現状調査のためチャドのキャンプを訪問(駐日事務所ニュース)

1月17日 ダルフールに関する共同声明(UNHCR本部ニュース・翻訳)

2006年

11月28日 UNHCRと国連世界食糧計画(WFP)、チャドでの支援活動への脅威に警鐘(駐日事務所ニュース)

10月11日 高等弁務官、国内避難民への懸念を強調(駐日事務所ニュース)

5月17日 UNHCR、チャドの難民キャンプでの強制的な調整に懸念(駐日事務所ニュース)

4月14日 UNHCR、チャドの急激な政変を警告(駐日事務所ニュース)

3月13日 チャド・スーダン国境より難民を移送(駐日事務所ニュース)

3月3日 チャドとスーダン双方から国境を越える人びとが続出(駐日事務所ニュース)

2月22日 中央アフリカ共和国での長引く暴動により難民がチャドへ流出(駐日事務所ニュース)

1月20日 エジプト、スーダン国籍の女性と子ども、ダルフール地方からの人々を解放(駐日事務所ニュース)

2005年

12月7日 どのようにダルフール出身の男性の庇護申請は今日のヨーロッパで無視されたのか(駐日事務所ニュース)

10月26日 高等弁務官、ダルフール地方の状況が非常に悪化していると語る(駐日事務所ニュース)

10月3日 ダルフール避難民キャンプ攻撃、死者数増加(駐日事務所ニュース)

9月30日 ダルフール難民キャンプで、29人殺害(駐日事務所ニュース)

9月10日

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